No.4115ポートアイランド北公園の回にチラッと登場した、ポートアイランド西岸のコンテナバースですが、1970年代から稼働したものが、1990年代にはもう時代に合わなくなってきてしまい、ちょうどポートアイランド全体の機能転換も必要になっていたことから、用途転換をすることになります。
大型化するコンテナ船よりかは小さめの船が着けられる岸壁は残し、その後ろに細長い緑地帯を取り、コンテナが並んでいたヤード部分は大学やマンションなどが誘致されて、できた緑地帯の愛称が“ポーアイしおさい公園”です。
■現地の解説板より
「ポーアイしおさい公園」は、神戸港、市街地、六甲連山の3層の風景を望めるウォーターフロント公園として、神戸開港140年を迎えた2007年4月にオープンした。
このエリアは1970年から2002年まで30年以上にわたり神戸港を代表する世界最大級のコンテナターミナルであったが、船舶の大型化に対応するため、同ターミナルの移転に伴い、新たに市民の憩いの場所として再整備したものである(2007年;神戸市、神戸港埠頭公社)
ポートアイランドは港湾事業で形作られているのですが、港湾事業ではつくった緑地は、ただ「緑地」と呼ばれ、都市公園のような「●●公園」といった名称は付けないことが一般的です。
“ポーアイしおさい公園”も公募で選ばれた公式愛称ですが、この看板などは名前が決まる前に建てられたのか、しおさい公園のことをただ「プロムナード」と呼んでいます。
岸壁に沿って約800メートル続くのですが、北端の方には、ポートアイランドの歴史を示すアイテムや、なにかとモニュメンタルな物件が集まっています。
が、全体にあまり統一感がなく、思いつくままに置いたかのような状態です。
まず車寄せのローターリー横にある公園トイレ。コンクリート建物なのですが、古墳のような盛土の下に埋められています。
いわゆる屋上緑化のように壁があって、屋根があってという状態ではなく、建物の上も横も土で覆ってしまったような状態なので、平らな岸壁に、急に小山が出現したかのようです。ただし、登ることはできず、周りから眺めるだけ。
続いて風力発電の風車。横に何かしらの電気設備のようなものがあるので、本当に発電できるものだと思うのですが、訪ねた時は止まっていました。
横に発電量を示すメーターのようなものがあるので、まだ風力発電が珍しかった時代に、普及やPRのための作ったものではないかと思いますが、今となっては珍しくもないので、少々困ってしまいます。
上の屋上緑化トイレともども、21世紀初めの環境共生的アイテムなのでのすが、わずか20年ほどですっかり陳腐化していることに驚かされます。まぁでも、最新鋭のコンテナバースも30年ほどで使命を終えたわけですし、仕方のないことかも知れません。
こちらは、人工島の埋立に使われたアンローダという機械の一部を使ったらしいモニュメント。本来は縦回転して土砂を掻き上げていた部品を、横置きにして展示しているものと思われます。
■現地の解説板より「アンローダーによる揚土」
底開式バージ(船)では、水深2mより深いところまでしか埋め立てられません。そこで、これより浅い部分を埋め立てるために開発されたのが、日本最初の本格的揚土機械「バケットホイール式アンローダー」と「シフタブルコンベヤ」でした。円形バージ(船)上から土砂をバケット式アンローダーで連続的にすくいあげ、シフタブルコンベヤにより連続的に運搬し、クローラコンベヤ、スプレッダーの一連の埋立用機械で土砂を埋め立て場所に扇状に撒き出し、ブルドーザーによって整地するというもので、これらの連続土工埋立システムにより効率的な埋立が可能となりました。◇稼動期間:昭和44年11月~平成7年1月◇揚土量:約6千万立米(約1億1千万トン)◇隻数:約4万隻
こちらは純粋なアート。カモメをモチーフにした彫刻作品です。
■現地の解説板より「海の旅、仁川から神戸まで」
この作品は、神戸市と大韓民国仁川市との姉妹都市提携を記念して、仁川市から神戸に贈られたモニュメントです。海を自由に行き来するカモメをイメージしたもので、両都市の相互交流と共生への願いが込められています。
ここは「ビューポイント」とわざわざ書かれたビューポイント。
まぁ確かに周りよりも1メートルほど高いのですが、護岸の際からは距離が離れるので、わざわざ言うほどのビューポイントだとは思えません。
こちらは、変に意味ありげな形をしたベンチ。
コンクリート製の四角い中空枠を立てて、突き出し屋根を突き出しています。
枠の下辺に座ることになるのですが、後ろから見ると、こういう感じで「一幅の絵画」のような見え方を意識してのものだと思われます。
屋根の形が違うタイプもありますが、この公園内のベンチは、ほぼこの中空コンクリート枠型です。
ちなみに先程から背景に写り込んでいるのは、神戸学院大の建物です。
ここの学内も、赤レンガ調の建物が緑の芝生に映える美しいキャンパスなのですが、公園ではないので素通りします。
とは言え、もともとが埋立地のコンテナヤードですし、いまも一部とはいえ船が着けられる岸壁機能を残した状態でのプロムナードなので、地形や景色の変化には乏しく、縦断して楽しいかと聞かれると微妙です。
公園内をずっと縦断するのではなく、大学のキャンパスから一番近いところにヒョイっと出てきて、公園を横断する方向での利用のほうが、景色を眺めても美しいように思います。
ハーバーランド、ポートタワー、メリケンパークなど、観光的神戸港の中心部を対岸に眺めることができます。
そして南端までやってくると、この10年ほどで神戸市内に増えた“BE KOBE”モニュメントのひとつが置かれています。
日本語的にうまく言えないのですが、ほかの“BE KOBE”は、文字そのものが立体なのですが、ここのものは周りが立体で文字が中抜きになっているため、文字部分が神戸の街の模様になるというデザインです。
写真もあまりうまく撮れていませんが。



















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