青山北町児童遊園は、表参道からは一筋裏に回ったところにある小公園です。
最近、表参道に面した旧・都営アパートの建替えを伴うエリア再開発によって公園も整備され、隣接する緑地やそれに面した店舗などが一体となった「ののあおやま」と連続するオープンスペースになっています。
ここの再開発は、この頃の都心のそれらしく、公・民の境界があまりはっきりしないのですが、事業手順としては老朽化した都営団地を高層化・集約化して建替え、それによって生まれた用地を定期借地権で民間が借りてタワーマンションを建てたものです。つまり、現状では都営と民営のツインタワー状態(隣接地にさらに超高層ビルが建つ予定ですが)。
それぞれ高層階は賃貸住宅や高齢者向け住宅ですが、低層階は緑化された店舗や保育所、地域交流施設など一般利用可能な施設で、その周りを自然再生を目指した3,500平米の緑地が取り囲んでおり、この再生緑地が見ものです。
低層階の店舗と民間開発緑地との距離の近さが、極めて今風です。
2階、3階部分にも屋上緑化がされているので、高層階から見下ろすと、緑地がひと続きに見えることでしょう。
緑地全体の仕立ても、野原、林、水辺などが程よく混じり、歩いて楽しい空間が作られています。
それでいて、楽しさだけでなく、この地域の潜在自然植生などを検討したうえで、将来的に持続可能なものとして計画されていることや、そのための管理が実践されていることも、ここの特徴です。
いま完成から4~5年めのはずなのですが、元々大きめの樹木も投入されていたと見え、もうすっかり馴染んでいるといって良いでしょう。
公園の場合だと工事費の関係もあって小さい樹木をパラパラと植えることが多いので、なかなか数年でこの状態は作れません。
林の間に小川も流れています。建物に降った雨を貯めて流す構造になっているようですが、それだけでは足りなさそうなので、どこかからポンプアップしているかも知れません。
せっかくの都会のビオトープなので、アメリカザリガニなどの外来種を放たれることなく、大事に育てて欲しいものです。
林の端っこには、子供たちが走り回ったり、地域のイベントに使ったりできる芝生広場が続きます。
ただし、私が訪ねたのが真冬だったので、芝生は冬休み。
春になればまた、一面の緑の芝生が回復することでしょう。
でもすぐ先生に連れられた保育園児たちが、芝生の際まで遊びに来ていました。
さて、ここまで書いてきましたが、実はまだ青山北町児童遊園には入っていませんでした。木立の向こう、約1,340平米の範囲だけが青山北町児童遊園です。
木立の部分はまだ「ののあおやま」の範囲で、施設名は「つきやま」といいます。
たぶん、ここが境界部なのでしょう。
ここまで再生された自然地が続いていたのですが、公園に入ると、土敷きの広場になるので、少し殺風景に感じてしまいます。
広場の周りに、大きな滑り台と小さな滑り台、シーソーなどがあります。
あの後、保育園児たちもこっちに遊びに来たかも知れません。
色んな意味で変化に富んだ青山北町児童遊園と、ののあおやまでした。
(2025年1月訪問)
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