金尾塚(かなおづか)公園は、神戸市西区長畑町の住宅地にある小公園です。
現在は、まわりに金尾塚という地名が付くものは見当たらず、でも『神戸市小字名集』には、玉津町小山の小字として「金尾塚(カナオヅカ)」が収められているので、きっと昔は塚(古墳)があったのではないかと考えますが、それっぽいものも近くには見当たりません。
ただ、付近には「居住・小山遺跡」と呼ばれる弥生時代~中世にわたる遺跡が確認されており、とくに公園のすぐ東では、1982年(昭和57年)に実施された発掘調査で、6世紀初頭の古墳が計5基確認されています。
これについて、神戸市教育委員会が翌1983年に実施した現地説明会資料では、次のように記されています。
まったく予想できなかった古墳(6世紀初頭)が5基確認されました。これらの古墳は、12世紀頃の開墾によって墳丘(盛土)が削り取られていました。そのため発掘調査によって確認されたのは周濠だけでした。▼存在していた5基のうち、2基は円墳(直径約8m)、3基は方墳(一辺約7m)でした。周濠からは、死者へのお祭りのときに使ったと思われる土器が出土しました。▼また、古墳の近くには小児用の土器棺や木管直葬墓などの遺構が検出され、同一面で12世紀から14世紀頃までの柱穴、土壙、井戸なども発見されました。性格は不明ですが、16世紀以降と考えられる土塁が2条みつかりました。
さて、そんな予備知識を得た上で金尾塚公園。
発掘調査のきっかけとなった住宅街区整備事業で整備されたと思われ、大きな記念碑が建てられています。
敷地は東から西へかけて先がすぼまる台形状をしており、底辺側に大きく広場を取り、奥の方に見える狭いところに、上手にパーゴラと遊具とを収めています。
近くまで来ました。
パーゴラだと思っていたら、その上に屋根が追加されており、もうツル植物を絡まらせることはできない構造になっています。
パーゴラの裏側に、滑り台&砂場と、4連ブランコが置かれています。
どちらも、神戸市の公園ではよく採用されている形のものです。
塚は消えても、記憶を残す金尾塚公園でした。
(2024年12月訪問)








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