3628/1000 笹山公園と常吉源太郎橋周辺の緑道・水路(兵庫県尼崎市)

2024/05/18

身近な公園 川辺の公園 尼崎市 兵庫県

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尼崎市の笹山公園は、UR西武庫団地の再開発地で、まだ新しい戸建て住宅が建ち並ぶ一角にある小公園です。
幹線道路に近い割には静かなところですし、すぐ横には川(用水路)が流れて緑道も通っているなど立地条件もよく、子供から大人まで、多くの人に使われている様子がうかがえます。

敷地は南北に細長い長方形をしており、南側に大きく広場空間を取り、北側に滑り台、2連ブランコ、砂場などの遊具やパーゴラ、花壇などの施設を集めています。
訪ねたのは土曜日の夕方でしたので、どこも子供がいっぱいで、写真は少なめになってしまいました。


砂場を使う幼児の皆さんは平日午前中の利用が多いので、ここだけ空いていました。

仕方がないので笹山公園を出て、すぐ東を流れる用水路沿いの緑道へと入ります。

こちらが緑道。かなりきれいに修景整備された農業用水路に沿っていますが、公共施設としての名称はわかリません。
こうした緑道の場合、たいていは「●●川緑道」のように水路の名前を採ると思うのですが、ここは水路が何本あるのかわからないくらい通っているのが難題です。

その状況を、尼崎市の「地図情報あまがさき」の水路網図からキャプチャーしたのが下の画像。
武庫川や、その支川の天王寺川から引かれたいくつかの用水路が、この付近で並走しつつ、またいくつかに分岐されて下流へと流れていく、水利上の重要ポイントにあたっているのです。

なので、このコンクリート杭や土盛りで区切られたものは、一本ずつ違う村々に流れていく、それぞれ違う名前の用水路なわけです。
後から調べてみると、野間樋、生島樋、武庫樋、水堂樋、守部樋、大島樋という6つの用水があり、あわせて「六樋」と呼ばれているそうで、おおむね現在の形に水路が整備されたのは、昭和始めのことだそうです。

分岐ポイントを見ると、各村の取り分に対応するよう厳密に管理されていたであろう水路幅が、今も残っています。
一昔前であれば、水不足の時にはここに各村の若い衆が集まって、昼夜問わず互いを監視しあわなければならない最重要地点で、時と場合によっては水争いの武力行使もあったかも知れません。

でも今となっては下流の農地もすっかり減少したので用水路の役割も変わり、水車のある緑道にはサクラやモミジなど季節の樹々が植えられ、初夏にはホタルが飛ぶ風景も見られるとか。

■常吉源太郎橋周辺水路修景整備
尼崎市では、河川・水路や公園等の公共施設への水の導入などを通して水と緑が美しく、身近にあるまちづくりを目指して”水のあるまちづくり”を推進しております。
ここ、「常吉源太郎橋周辺水路修景整備」は、六樋水利運営協議会の御協力のもとに、生島井、武庫井、水堂井、常吉井、の農業用水路を地域の人々により親しんで頂くため親水緑道として修景整備をしたものです。いつまでもきれいに、地域のいこいの場所としてご利用ください。(平成元年6月)

ちなみに橋の名前のうち、常吉(つねよし)は付近の大字、源太郎(げんたろう)は小字であり、常吉源太郎という人物名ではありません。
ただ、尼崎市立地域研究史料館発行『尼崎の地名』によれば、周辺の西武庫地区には“開発が名主(みょうしゅ:多くの場合武士的地主)によって行われ、名田として成立したことを示す地名がいくつか残っている。常吉もその名残であろうが、中世の史料には登場しない”とありますので、同一か別人かはともかく、常吉さん、源太郎さんが付近の新田開発に関わった可能性は考えられるわけです。

住宅地の風景に憩いと彩りを与えてくれる、笹山公園と、常吉源太郎橋周辺の緑道・水路でした。

(2023年10月訪問)

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