No.3486 西鴫野5・6児童遊園で名前が出た西鴫野3、西鴫野4、西鴫野5・6、西鴫野7の4つの児童公園のうち、3、7、4は南北に細長く、3つが連なって設置されています。
この3つは、大正時代に建てられた鐘淵紡績(鐘紡)工場と寝屋川とを結ぶ引込運河が、後に埋め立てられた跡地に整備されたもので、今もところどころに運河の名残を留めています。
下のマピオンの地図で見ると、現在の中学校や団地があるあたりが鐘紡の工場(の北半分)で、北の寝屋川から入ってきた運河が、東に曲がって工場に入っていく形が、ほぼそのまま公園になっている様子が見て取れます。
マピオン地図 ©ONE COMPATH |
そしておそらく、数字は児童遊園に関わる町会の名前(番号)に因むもので、公園の位置とは別の法則で付けられていると思われ、3つの児童遊園は、北から西鴫野3児童遊園、同7児童遊園、同4児童遊園という順番に並んでいます。
ということで、まずは北端の西鴫野3児童遊園。
寝屋川沿いの道路からは1.5メートルほど下がったところが地盤になっており、この幅で80メートルほど続きます。
道路と公園とを繋ぐ階段の側には、桜橋と刻まれた親柱が保存されています。
しかし、現役のまだ新しい階段のほかに、埋め潰された低い階段やブロック塀などもあって色々と改変されており、親柱も、保存しているのか、ただ残っているだけなのか微妙な状態になっています。
両側を住宅に挟まれた細長い敷地ですが、児童遊園なので2連ブランコ、ジャングルジム、滑り台、雲梯などの遊具は豊富です。
滑り台は、デッキ部を支える柱がなく下がスッキリしたタイプ。そこでデッドスペースを有効利用しようと思ったのか、そこに散水用のホース箱が設置されていました。
また、公園に向かって間口が開いている「玄関出たら公園の家」が多いのも特徴です。
おそらく、元々の運河の横には管理用通路(私道)が通っていて、それに面して建てられた家々があったものが、通路と運河とがまとめて公園になってしまったためではないかと考えます。
この鳥居が倒れている白高大善神のお社も、そういう土地利用だったのではないかと。
この太平洋戦争戦没者の慰霊碑も、住宅側に少し食い込んでいるので、細かく見れば公園区域外なのかな、と思います。
横の小さい方の石碑には、“日蓮宗身光山妙見閣寺という寺院が、1955年(昭和30年)からここにあったものの、1999年(平成11年)に大阪市旭区に移転することになったので、濫觴(らんしょう)の地に石碑を建立する”といった内容が刻まれています。
3児童遊園としての南端には、町会の集会所があり、その前には屋根掛けされた半屋外の休憩場所があります。
私はこういう空間が好きで休憩したくなるのですが、同じように休憩した後にタバコの吸殻やゴミを残していく人も少なくないようで、注意書きが多くなっていました。
まぁでも、雲梯に「頭上注意」の注意書きまでは、不要ではないかと思います。
そして、3児童遊園の外に出ようと思ったら、ここには城東橋の親柱が保存されており、それとは別に愛称としての「さくら公園」の園名柱がありました。
その横には、地蔵堂。小さな公園の割には、アイテムが豊富です。
4メートル幅ほどの一般道を渡ると、次は西鴫野7児童遊園です。ここは長さが100メートル以上あり、3つの児童遊園の中では一番大きなサイズです。
そのためか特に遊具が豊富で、滑り台は両側にウイングのようなラダーが付いたタイプ、ゾウ型のジャングルジムと一体になったタイプの2種類があります。
ゾウの形の滑り台付きジャングルジムは、どこか他所の公園でも見た覚えがあるのですが、どうしても思い出せません。
自分の記憶力を補うために始めたブログなのに、これでは意味がないので、こうした造形物のジャングルジムに、新しく”おもしろジャングルジム”というラベルを付けて、検索できるようにしました。
でもその途端に、想像を上回るものが現れます。まさかの、電柱一体型ジャングルジムです。
下の立方体よりも屋根部分が張り出した形は、ポストモダン建築のような風情もあるのですが、それよりも気になるのは中央から一本伸びた柱です。
一般的な電柱にある変圧器などは見えないし、さすがにマジ電線にまで登れるような状態の遊具は考えにくいので、電話線用のものでしょうか。それにしても、この兼用は始めてみました。
さらに、形は一般的な立方体積上げ型だけれど、高さが低いジャングルジムもあります。
こちらは色々なぶら下がり方ができる雲梯。とにかく鉄パイプ遊具が豊富なことが、7児童遊園の特徴です。
そして、また4メートル幅の道路を渡ると、南端が4児童遊園。
ただし下写真は、光の加減のため、4児童遊園から7児童遊園を振り返っています。
ここも基本構造は同じですが、さっきまでは両側に住宅が貼り付いていたのに対して、ここは片側だけになって反対側は道路になっているので、道路の分だけ見た目には少し広がりが出てきます。
遊具は滑り台、2連ブランコ、ラダー遊具など。
サッカーボールのようなジャングルジムもあり、ジャングルジムに関しては、3つの公園がショールームのように色々なものが採用されています。
よくフジが絡まったパーゴラや、大型の立体花壇などもあり、幹線道路からの見え方や立ち寄りにも配慮が見られます。
ずっと同じ幅でまっすぐ続いてきた3つの公園(運河跡)が、この花壇付近で直角に曲がって、公園とは別の集会所などの敷地に続いていきます。そこをすぎれば、かつての工場跡。
話の流れで最後になりましたが、ここには3連の公園の出入口にふさわしく、立派な煉瓦造の上にガス燈が乗っかったようなデザインの公園門が設置されています。
1993年(平成5年)に設置されたものだそうですが、このデザインは、きっと鐘紡の工場建物をイメージしてのものではないかと考えてみます。
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