向之芝(むこうのしば)公園は、和歌山市の中心市街地ではやや北方、県立体育館の裏手あたりにある小公園です。
古い地図で見ると、公園がある区画よりも一回り大きい街区全体が、戦前にはカネボウ(鐘淵紡績)の工場があり、戦後には10年間ほど県営野球場が設置された場所のようなのですが、いまは飲食店の多い住宅地といった街なみになっています。
資料によれば1964年(昭和39年)開園なのですが、それ以来、遊具更新以外の大きな改修は行なわれていないと思われ、施設も樹木も年季が入った状態となっています。
とくに西半分の林間園地は20メートル超えの樹木も多く、やや圧迫感を感じるほどです。
「都会の中の緑のオアシス」のような言い方もできますが、樹形の悪い育ち方をしているものや、手入れのされない灌木が繁っているところもあり、もうちょっと手入れをしてあげたい気持ちが募ります。
石の山遊具の後ろに並ぶフェニックスも、並木の面白さはあるのですが、いささか過密ですので、少し間引きをしたいところです。
でもそうなると、行政としては樹木の手入れだけというわけにも行かず、老朽化しつつも味のある遊具たちも撤去・更新されてしまうことになると思うので、それはそれで考えものです。
この変わり兜みたいな石の山遊具は、滑り面を磨き直せばまだ使えると思うのですが、
ガチガチの土になってしまって機能を失っている砂場は、撤去されてしまうことでしょう。
砂場そのものというより周りのプレーウォールが興味深いのですが、たいていはコンクリート製の壁状のものに、潜り抜けたり覗き込んだりできる穴を空けた形をしているものなのですが、ここでは一部の幅が広くなってトンネル状になっているのです。
横から見ると、あからさまに膨らんでいることがわかります。
こうなると壁というよりも、銃眼の開いたトーチカのように見えてきますが、出入口になっていたと思われる穴は塞がれてしまっています。
塞がれた穴をよく見ると、右側の四角い穴は子供が出入りできるくらいの大きさがありますが、左側の丸い穴はちょっと無理ですよね。覗き穴?
そして塞がれているのに、内部の換気のためなのか何なのかちょっとだけ隙間が残っているところに、また興味がそそられます。
滑り台やブランコは、まだ使えるかなぁ...
良い場所にあるだけに、もう少しだけ手入れをしたい向之芝公園でした。
(2021年12月訪問)
0 件のコメント:
コメントを投稿