神戸市東部を流れる住吉川の東岸に、ヨーロッパ風の見るからに高級そうな外観をした巨大なマンション「オーキッドコート」がありますが、ここは大正・昭和に大きく飛躍した久原財閥の総帥・久原房之助の邸宅跡(の一部)でした。
戦後しばらくたってから川崎製鉄の社宅などになりますが、それが再編建替されて、1991~96年にかけて現在のようなマンションになります。その頃に同時に作られたのが野寄南公園です。
公園の面積は1,100平米ほど。
オーキッドコートの敷地内には、これの20倍くらいの緑地が取られているはずなのですが、なにぶん分厚い扉で仕切られた向こうなので、こうした遊び場型のものがあるのかどうかはわかりません。
小さな園内にあわせて、遊具は滑り台と雲梯、ガケ登りなどが一緒になった複合遊具がメインで、あとは鉄棒と健康器具(足つぼ歩道)くらいです。
開園から30年ほどだと考えると、複合遊具は少し新しいモデルのようにも思えます。調べてみると、以前は木製遊具だったものを、5~6年前に入替えたようです。
この公園が面白いのは、周りの公営住宅や社宅にも遊び場があって、子供たちはその時々で場所を移りながら遊んでいるっぽいことです。
例えば、道向いの公営住宅の遊び場には、ブランコやジャングルジム、コンクリート製のプレーウォールなど少し古いですが定番の遊具が設置されています。
また公園から階段で繋がった北側の社宅には、公開空地になっていて誰でも入れるところにも遊び場があります。
こちらには滑り台やパーゴラがあるので、その時の気分や遊びの様子、集まっている人数などによって使い分けることができます。
こちらには立派なお地蔵様も祭られていました。
昔は久原邸で祭られていたものだという話もあるのですが、詳しいことは調査不足です。
ひとところに集中させて囲い込むのではなく、分散とネットワークで挑む野寄南公園でした。
(2021年9月訪問)
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