山口市中心部にある独立丘・亀山(かめやま)は、標高70メートルほどの小さな丘全体が都市公園になっており、周りに周りに美術館、図書館、博物館などの文化施設が集まっていることもあって、一帯が落ち着いた雰囲気の街になっています。
低い丘ですので山頂広場にもすぐに登れるはずなのですが、今回は地上部の「ふれあい広場」の一角だけを訪ねます。
ちなみに広場の奥に見える、手前側のこんもりと低い丘が亀山。その奥でもっと目立っているのは標高338メートルの鴻ノ峰です。
ふれあい広場では、大きめの芝生広場の周りに、遊具コーナーが2ヵ所、テニスコート、公共施設に付帯する小さめの芝生広場などがあります。
まず大きめの複合遊具がある、芝生広場の西北側の遊具コーナー。中央にそびえる複合遊具は、おもに屋根部分を亀にしています。
幼児向けの小型遊具は、外観そのものが亀。
注意看板も亀と、亀山公園なのでとにかく亀づくしです。
まぁでも、世の中にはもっと亀づくしのNo.1810 東保木間公園もあるので、まだやれることはあるように思います(やらなくていいけれど)。
そして、先ほどの芝生広場を挟んで反対側、すなわち東南側にもう一つの遊具コーナーがあり、
こちらには機関車モチーフの小ぶりな複合遊具と、噴水の水遊び場があります。
北東側の「亀山だからカメ!」というのと同じように、機関車にも噴水にもデザイン上の文脈があるようです。
まず機関車の方ですが、この付近が明治時代に山口と小郡との間、約13kmを結んでいた軽便鉄道の始発駅だったことに因むものなのでしょう。
■現地の解説板より「軽便鉄道中河原停車場跡」現在のJR山口線が開通する前に、小郡と山口間を結んだ軽便鉄道の山口駅(中河原停車場)がこの地にありました。大日本軌道会社の山口支社によって、明治41年 (1908年)11月に新町~湯田間の軽便鉄道の敷設工事が完了し、開通式が行われました。続いて、路線の両端部分である新町~小郡間と湯田~山口(中河原停車場)間に延伸し、明治43年(1910年)、当初の計画であった山口と山陽鉄道小郡駅とを結ぶ全線が開通しました。
運行は、所要時間約1時間、 全線16往復(当初は7往復)でした。街道沿いの住民に大いに歓迎されて利用客も多く、大正元年には、1年間で36万人余りの人々が利用しました。
しかし、大正2年(1913年)に官鉄山口線(JR山口線)が開通することによって、小郡~山口間の軽便鉄道は、開業からわずか5年で廃線となりました。
そして水遊び場の方は、公園のすぐ横を、街中なのにホタルが飛び交うことで有名な「一の坂川」が流れていることを意識してのものだと思います。
一の坂川は、全国でもいち早く、1970年代から自然再生や風致に配慮した河川改修がおこなわれ、とても美しく趣きのある川なのですが、子供がジャブジャブと入り込めるような仕立てにはなっていないので、公園内に水遊び場をつくったのだと思います。
ということで、今回は平らなところだけだったので、次は丘の上まで行ってみたい亀山公園でした。
(2021年7月訪問)
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