No.326でも訪ねた那覇市の漫湖は、湖と付いてはいますが、実際は国場川(こくばがわ)と饒波川(のはがわ)との合流点あたりで川幅が広くなっている場所の名称です。
その南北両岸があわせて一つの総合公園になっており、No.326では大型遊具やテニスコートがある南岸の鏡原側を訪ねましたが、今回はオオゴマダラの観察施設がある北岸の古波蔵側を訪ねます。
まず、国場川に架かる爬竜橋のあたりからスタート。爬竜は「ハーリー」と呼ばれる競漕のことです。
その橋のたもとにある、なにかよくわからない楕円形の穴の列が気になってしまいます。
橋の上から眺めてみても、やっぱりよくわからないですね。橋の関係でなにか埋まっているのか、あるいは下水のポンプ場が近くにあるのでその関係なのか。
ポンプ場は、公園内に食い込むような形で設置されているため、外観に気を使ってマングローブに擬装されています。
敷地は柵でしっかりと区切られているので、さっきの穴とは関係ないか...
そこから西の方へと進みます。
園内は、基本的には「湖畔の緑地帯」といった仕立てで、幅70~80メートルほどのなかに、園路、広場と林、ときどき休憩施設や遊具が現れながら、約1キロに渡って続いている構造となっています。
敷地の中ほどを通る園路のほかに、湖岸を通る2本の園路もあるのですが、防風などの目的でしょうか、園路沿いにもけっこう背の高い植栽があるため、漫湖方向への眺望は今ひとつです。
芝生広場は、ただの広場ではなくグラウンドゴルフ場として位置づけられているようです。
この公園では、例年さくらまつりが開かれているのですが、今あるサクラの樹勢がだんだん弱ってきているのでしょうか、ちょっとした隙間があるアチコチで、寄付による植樹が行なわれていました。
でもどこも詰め込みすぎで、この3~4倍は間隔をとって植えないことには大きく育たないと思います。
漫湖はラムサール条約登録湿地ということで、ところどころにそのイメージの物件が登場します。
これは排水機場の建物だと思うのですが、漫湖で見られる代表的な生き物が目の大きなイラストで描かれています。
その中に、唐突にクライミング遊具が設置されている理由は謎。
その他の壁が、急に十二支になっているのも謎といえば謎ですが、公園で十二支といえばたいていは唐突なので、やむを得ないかも知れません。
そこからまた園路沿いに進み、健康器具コーナーや、
小さなステージのある広場などを通り過ぎると、
園路が急に幅広の市松模様になり、公園の中心に近づいてきたことを知らせます。
公園の中心には池の直径20メートルくらいもある大噴水がありました。
大きいだけでなく、吹き出し部の数も多いし、ライトアップ用の照明も据えられているしで、かなり立派なものなのですが、池底から灌木が伸びて来ているところを見ると水が止まって久しいようです。
この大噴水の横手に、冒頭で書いたオオゴマダラの観察施設・ちょうちょガーデンがあります。
年末年始以外は無休で、料金もタダ。管理人さんも園内清掃などの他の業務と兼ねているようで、私が訪ねた時は誰もいませんでした。非常にのんびりした公共施設です。
温室の中に入ると、オオゴマダラの幼虫の食草になるホウライカガミのほか、シュロチクやクワズイモなど沖縄の公園でよく見かける植物が色々と植えられていました。公園で使うための植物を育てる苗圃も兼ねているのかも知れません。
何ヵ所かに成虫が蜜を吸うための餌場が設けられており、探すまでもなく、すぐにオオゴマダラが見つかりました。
オオゴマダラは、国内では南西諸島にしか生息しておらず、沖縄県の県の蝶、那覇市の市の蝶にもなっている大型のチョウです。
那覇市などではこれを増やすためNo.1264 まかんじゃーら公園のように、屋外でもホウライカガミを植える取り組みを進めています。
温室内のあちこちにいるし、大きくて落ち着いた飛び方をするチョウなので、素人でも結構ちゃんとした写真が撮れます(撮れたと思っています)。
これは、まだ生まれて間もない一齢幼虫でしょうか。
ここを訪ねたのは3月の終わり頃だったのですが、オオゴマダラがいつ頃の時期に卵から孵化して、いつ頃育つのかなどはよく知りません。
と言いながら、蛹から羽化したての成虫も見つけました。
施設内で蛹になったものを職員の方が集めて、洗濯物干しにまとめて吊るしているようなのですが、ちょうどそこから出てきて羽を乾かしているところでした。
それにしても、洗濯物干しにこんな使いみちがあったとは!
遊び場は、芝生広場の一角に背の低い複合遊具やブランコなどのまだ新しい遊具が何点か置かれており、低年齢の子供さんなら、ここで遊んで、ちょうちょを追いかけて、半日遊べるのではないでしょうか。
さらに進むと、ナイター照明付きのサッカー場もありました。
サッカー場に着く頃には、爬竜橋の横にあった穴のことは忘れていた漫湖公園の古波蔵側でした。
(2021年3月訪問)
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