京都市でも南端の方にあたる淀水垂町(よど みずたれちょう)は、京阪・淀駅やNo.897 淀城跡公園などの淀中心部から見ると、桂川を渡った西側にあたります。
時代をさかのぼれば長岡京の条坊内に含まれており、また近世には桂川沿いの舟運の拠点として発展した歴史を持っており、京都市内といっても、中心市街地とはかなり違った経緯を持つ地区だと言えます。
平成のはじめ頃まで桂川の堤防沿いに集落があったのですが、桂川の拡幅、堤防の大型化などの治水工事が実施されることになり、旧集落付近で暮らし続けたい人たちのために、もともとの場所から数十メートル川から離れた新堤防上に、新しい住宅地が作られました。
このあたりの経緯については、立命館大学歴史都市防災研究所の『京都歴史災害研究』に詳しい論文が掲載されています。
さて、そんな新しい水垂地区の中にあるのが、水垂公園。周りの住宅地の建設とともに作られた、新しい公園です。
が、公園のすぐ隣には、旧集落から遷座してきたお社があり、地区の皆さんの「まとまり」の中心となることが意図された場所となっています。
公園としては、区画整理地によくあるスタイル。
中央にパーゴラをおいて敷地を二分し、片方を遊具スペース、もう片方を多目的に使える広場としています。
手元の資料によれば2007年(平成19年)開園となっているのですが、それにしては、やや古い見た目の遊具が採用されています。と言っても、京都市では、割合に普通のことなのですが。
石の滑り台、ブランコ、鉄棒、雲梯、揺れる乗物遊具などなど。
しかし、この公園の良さは、そうした施設面ではなく、花が綺麗なところ。
やや時期を外したので藤棚のフジはボチボチですが、ハナミズキ、シバザクラなどがきれいに咲いていました。
小さな隙間にも花が植えられ、ご近所の方々が大事にしている様子が伝わってくる水垂公園でした。
(2019年4月訪問)
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