造成前の千里ニュータウンには大小の溜池が多く、それらを取り込んだ公園が多いのですが、ここも「上池(別称・青谷池)」と呼ばれる池を中心に置いた小公園です。
周りの道路と比べて、池がかなり落ち込んだ谷底にあり、道路-池を結ぶ斜面地が公園区域の広い範囲を占めています。
ですので、実際になにかに使える公園敷地は池沿いの園路が中心で、ほぼ散策用の公園といった風情です。
園路沿いはメタセコイヤがたくさん植えられており、あまり「はぎのき」っぽさはありません。
池の名前も萩とは関係ありませんし、どのへんから「はぎのき」と付けられたのでしょうか。
ただ、この公園の池には、ニュータウンになる前の地域の伝承が残っており、周りにある新参者の公園とは少しばかり違った風格も感じられます。
その伝承を記した石碑が、園内東側の出入口付近の地蔵堂のそばに設置されています。
■現地の石碑より 「千里の歴史と伝統」第8話 龍の伝説と千里の水 古江台の池と竜
「ある時、ひどい夕立が昼すぎから降ってきた。その夕立の最中突然、ゴォーッとすさまじい響きをたてながら、池の主の竜が飛び上がり、雨をつたいながら天上にのぼっていった」
これは、古江台「はぎのき公園」の上池(別称・青谷池)に伝わる”竜の伝説”である。この池の水は、干ばつに悩まされ続けてきた農民にとってかけがえのない雨水。いまにも干上がりそうな池に、激しい夕立が降る、農民たちは狂喜したものだった。大雨は、神様。そのシンボルこそ竜だったに違いない。
「千里の歴史と伝統20話」より
...地蔵堂のそばに設置されていたので、てっきりお地蔵さま絡みの伝説かと思ったら、違うのですね。
こちらのお地蔵様も「木の又地蔵」という、いかにも曰くありげな名前なので、きっと何かあるのでしょう。
そしてもう一つ、敷地の西側には、古江稲荷神社というお社が祀られています。
ここだけ、池周りの園路からは少し離れて、階段を登っていった先にあります。
小さな池を守るはぎのき公園でした。
(2019年4月訪問)
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