ここ数回、登場している町・狩口台。町名に「台」が付くように大半の区域は海岸段丘上の小高い土地なのですが、町域としては海岸まで広がっています。
海岸沿いを走る国道と海とに挟まれ、護岸に囲まれたまさしく「海岸!」にあるのが狩口台海岸公園です。
少し角度をずらしてみると、国道との位置関係もわかります。
園内は、そこそこまとまった広さの広場があるのですが、このように細長い形のうえ、国道と海、どちらに何かが飛び出しても困る立地なので、あまり子供の遊びには向いていないかもしれません。
ということで、施設といえば海を望むぶら下がり健康器と、
海を望む腹筋ベンチくらいです。
ところで、1980年代、この公園がある垂水~明石あたりには海を眺められるお洒落な店がところどころにあり、関西を代表するドライブコースになっていました。
しかし、この公園の場所には、それに先立つこと十余年、巨大なランドマークがありました。それが「シートピア明石丸」です。
手元には写真などがまったくないので、関西汽船のフェリーに詳しい方のサイト(右下隅に掲載)で見ていただきたいのですが、実際に使われていたフェリーを陸にあげて、それをレストランに使っていたというものです。
全長数十メートルある大きな船が国道沿い、また国鉄からもよく見えるところにドーンと置かれていたわけですから、見る人の記憶に確実に残る物件だったと言えましょう。
上サイトのころと比べると砂浜が狭くなっていて、同じ位置からの撮影はできなかったのですが、だいたい似たようなところから撮影。
公園の隣のマンションから公園にかけてに明石丸が存在していたようです。私の記憶の中では海岸沿いに係留されていた(海に浮かんでいた)のですが、実際は陸揚げされていたのですね。鳥羽のぶらじる丸と記憶が混ざっているのかも。
国土地理院の空中写真でも確認してみると、1979年(昭和54年)のものに、西に舳先を向けた全長100メートルほどの船の様子がしっかりと写っていました。
と言っても、知らなければ船には見えないと思いますが。
国土地理院「地図・空中写真閲覧サービス」より 整理番号:CKK791/コース番号:C16/写真番号:6 撮影年月日:1979/10/20(昭54) |
現在の海岸には、とくに明石丸の痕跡は見当たりません。
昭和の昔を思い出す、夕暮れ時の狩口台海岸公園でした。
(2019年3月訪問)
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