No.811 湊命山が走りだと思うのですが、土地と土砂があれば、タワーよりも安く整備・管理ができるので、最近は事例が増えてきています。
周囲は大きな工場の周りに低層住宅が集まっている住宅地で、学校やマンションなどの高さがある建物が少ない地区です。そこで、その工場が「周辺の安全のために」として寄付してくれた土地に命山が築かれました。
その辺の経緯が案内板に記されていました。
●現地の案内板より「津波避難施設用地について」
この津波避難施設用地は、三井・デュポンフロロケミカル株式会社が会社創立50周年に際し、会社コアバリュー「安全」の精神に則り、2014年11月5日「津波防災の日」に、静岡市へ寄附されたものです。
静岡市
敷地の規模はざっくり20メートル×50メートルくらいの長方形をしており、頂上の海抜は8.7メートルだと現地に書かれていました。
山は四角錐台状になっているのですが、避難場所となる頂上部の面積を確保するためか、かなり急な斜面で構成されています。
一番急なところはダム工事で使うようなネットフレームで固められているのですが、それ以外のところは大雨の時に崩れてこないか心配なほどです。
道路に面したところには、メインの避難路となるまっすぐな階段が付いています。
行ったことはないのですが、メキシコの太陽のピラミッドを彷彿とさせる外観です。
まっすぐに頂上に登ると、このような展望広場になっています。
ベンチやパーゴラもたくさんあって、避難面積を最大にすることよりは、普段の使い勝手も考えた施設になっているように思います。
広場の中心にあったベンチ。中心部が空いているのは、これから屋根を付けて休憩所のように作り込む途中なのでしょうか。
ベンチの足元に、小さな標識がありました。少し小さすぎるようにも思うのですが、この小ささにも理由があるのかも知れません。
そのほか、中に防災グッズが入っていると思われる収納庫付きのベンチもたくさん並んでいました。
足つぼマッサージ歩道は、地域の方々の普段使いを促すための施設です。
防災目的の公園であっても「日頃から使われていない場所は、災害時にも使われない」というのが基本ですので、こういう施設も大切です。
パーゴラのあたりから、三井・デュポンフロロケミカルの工場を眺めたところ。
工場内にもそれほど高い建物はなく、この命山と同じか、それより低い建物ばかりです。
そうなると、いざという時には、この工場に勤務する方々も避難しなければいけませんので、工場側から命山に通じる階段も設けられています。
そんないざという時が訪れないで、ただの展望台であり続けて欲しいと願う三保命山でした。
(2017年1月訪問)
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