彩都(さいと)は、大阪府の茨木市と箕面市の北部農村地帯の山々を切り拓き、21世紀になってから開かれたニュータウンで、大雑把に両市境にまたがる西部地区と、茨木市に属する東部地区・中部地区とに分かれます。
すでに西部地区は分譲・住宅開発が進んでおり、この地区の交通の拠点となるのが大阪モノレールの彩都西駅。その駅前すぐ、歩いて1分程度のところに彩都西公園があります。
最新式のニュータウンということもあって、まち全体が造成を少なめ・元地形をできるだけ残すようになっており、園内も尾根筋の形状を活かしたものになっています。
訪れたのが冬の夕暮れだったため広場は茶色に見えていますが、平坦な土敷きではなく、緩い起伏のある芝生広場です。また、写真ではわかりにくいのですが、遠くに万博公園の観覧車、さらにずっと向こうに梅田の高層ビルも望めるという眺めの良い場所でもあります。
これだけの起伏があれば、長い滑り台は欲しくなりますね。丘の上にある公園出入り口から広場に向かって、60メートルくらいあるローラーすべり台が設置されています。
滑り降りた先が、先程の芝生広場。公園全体で見れば、中段にあたります。
ここは園路にぐるりと囲まれた一面の自由広場で、ベンチ・照明くらいしか施設はありません。
ベンチは防災仕様のものが多く採用されています。
その芝生広場の一角に置かれているのが、大きなバッタの複合遊具。
複合とは言いましたが、基本的には大きな滑り台で、上り口部分がラダー、ネットなどいくつかのバリエーションがあるというくらいです。
足の部分などに、もう少し遊びのアイディアが盛り込まれていれば、なお良かったのですが。
また、小さな声でも集めて遠くへ届けるパラボラ型の遊具や、パイプの中を音が伝わる伝声管が組み込まれており、なんとなく「バッタ ⇒ 鳴き声 ⇒ 音」という連想が効いているように思います。
その大型バッタ遊具のある芝生広場を尾根伝いに南に進むと、一段下がったところに小バッタの遊具がある幼児向けのスペースもあります。
バッタの頭からお尻に向かって、2連の小型滑り台になっています。
あとは、バッタ型の揺れる動物。本ブログでも初採取ですが、バッタだけではカテゴリーが構成できないのでムシ型に含まれることになります。
この遊具がある一角は、大バッタのいた広場から下りてくる位置にあるのですが、この斜面地にも細かな起伏が付けてあります。
雨水排水面での必要性、あるいは生物生息場としての多様な環境を生み出すためのものなのか、はたまた造成が荒っぽくて流れたり沈んだりしているのか、理由はよくわかりませんがとにかく気になります。
見たところ、あまり使いみちがない空間になっているので、ほかの場所とは草刈りの仕方に変化をつけて、本物のバッタが育つ背の高い草原にしても良さそうなのですが。
ただ、子供たちが拾い集めてきたらしき砕石があったので、これがどこかに埋まっていると考えると雨水排水の関係かな、とも思うのですが、そんなものを子供があっさりと掘り起こしてしまうのも問題なので、結局のところよくわからないままです。
さて、再び冒頭のローラー滑り台があった丘に戻ります。
滑り台があった部分からすると丘の反対側。西側にまわると、このように開発前の森の雰囲気を残す自然風の森・流れが作られています。
広場遊び、遊具遊びだけでなく、森遊びもできるので、近所の小学生は飽きることがないのでは、と思います。
この流れのあるすぐ横には、集会施設とトイレを兼ねたような建物もあるので、ここの軒下に集まってゲームをすることもできます。
また建物周りの石敷きの部分では、スケボーやローラースケートなどもできますので、とにかく色々な遊びができる公園という印象です。
ところで、ニュータウンの開発にあわせて彩都西から中・東へと延伸される計画となっていた大阪モノレールですが、中部・東部地区の開発計画が縮小・転換されたため、2017年(平成29年)になって延伸計画も取りやめになりました。
ということは、この先もこの公園は始発駅の駅前公園であり続けるということです。同じ駅前でも、やはり「始発駅の駅前なのに大きな公園がある」という方が公園の存在感・利用価値が出るような気がするので、公園にとっては良かったのかも、と思いました。
Web版産経West 2017.1.27記事より引用 大阪モノレール「彩都線」延伸を断念 採算取れず 大阪府 http://www.sankei.com/west/news/170127/wst1701270107-n1.html |
郊外でありながら、庭付き戸建住宅ではなく、大型マンションと大型公園の組み合わせという都市的なスタイルを提示している彩都西公園でした。
(2017年2月訪問)
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