資料によれば2010年(平成22年)に全面的な大改修が実施されたようで、見通し、遊具安全、防災、バリアフリーなど今時の小公園に求められる要素がしっかりと盛り込まれています。
見通しが悪い公園は犯罪などを誘発しやすく、実際に犯罪が起こらなくとも、その不安があるだけで利用者に敬遠されがちです。そこで、大きく育ちすぎた樹木を整理し、とくに公園の外から中が一望できるようにすることが増えています。
遊具については、事故を防ぐために出っ張りや引っ掛かりを極力少なくした形状とし、また転落が大事故につながらないように周囲にラバーマットを敷くことなどが必要です。
ここでは、全体的にはウッドチップが使われていますが、滑り台の出口部分だけはマットを使っています。これは勢い良く飛び出し続けると地面が削れてしまい、デコボコして転びやすくなるのを防ぐためです。
ブランコの下にマットを敷くのも、滑り台と理由は同じです。またブランコの周囲には安全柵を設けることで危険な領域を示し、衝突を防ぐようにしています。
普段はベンチ、地震の際には座板を外せばかまどになって煮炊きができる“かまどベンチ”は、実際の使い勝手はともかく、世間ではけっこう人気がある施設です。
私個人としては「ベンチ+かまど」として無理に組み合わせるほどの意味はなく、かまどそのものを準備しておく方が良いと考えています。
車いすの人だけでなく、赤ちゃん連れや、オストメイトを使っている人でも使いやすい多目的トイレは、公園のバリアフリー対応の中でも扱いが難しいものの一つです。必要性は高いのですが、設置場所の問題、管理の手間の問題などから二の足を踏む自治体も少なくありません。
しかし一般の方はコンビニのトイレが使えますが、障害を持つ方が使いやすいトイレはまだまだ公共施設にしかありませんので、「公園に行けば、多目的トイレがある」環境は目指すべきだと思います。その点で、北区の取り組みは素晴らしいと思います。
ただ、やはり敷地が狭いため、このトイレ一つですべての利用者が兼用するスタイルですので、やたらと「大」の長い人がいたら困ってしまいます。
また、今のところは夜間管理が難しいため夕方になると鍵を閉めてしまうようです。利用者の方にとっては不満でしょうが、管理面からは現状では致し方ないところ。
そんなこんなで、イマ風の見本市のような東中里公園ですが、花壇がきれいなところを見ても地域の方々に親しまれていることがよくわかる気持ちのよい公園でした。
(2016年6月訪問)
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