1105/1000 浪速玉姫公園(大阪市浪速区)

2016/01/15

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浪速玉姫公園は、JR大阪環状線の今宮駅と芦原橋駅の間あたり、公営住宅と公園が多いエリアにある小公園です。

現地の解説板によれば、この場所は「太鼓屋又兵衛」の屋敷跡だったということで、公園敷地の1/3ほどが太鼓屋又兵衛関連のイメージで整備され、残りが高木の多い林間広場となっています。

そこで「太鼓屋又兵衛とは何者?」と思うわけですが、これも解説板にしっかり書かれており、この地に代々続いた太鼓作り・皮革問屋の家の当主が名乗った名跡だそうです。

■現地の解説板より 太鼓屋又兵衛
「太鼓屋又兵衛」は江戸時代を通じ、太鼓の全国ブランドとして知られていました。「太鼓屋」の屋号は、1616年に大阪城の「時太鼓」を作った渡辺村の平八が、その功労によって「太鼓屋」の屋号を許されたことに始まると伝えられています。「太鼓屋又兵衛」の名は、少なくとも17世紀後半には登場します。
1800年前後に活躍した太鼓屋又兵衛は、皮革の商いにも稀な才覚を発揮し、皮革問屋としての地位を築きました。幕末に活躍した又兵衛は、九州の小倉で生まれましたが、1837年に大阪・渡辺村へ養子に入り、1842年に太鼓屋又兵衛を襲名しました。この人は温厚・実直で商才もあり「太鼓屋又兵衛」の名をさらに広めました。「太鼓屋又兵衛」は、1858年には鳥取城の時太鼓をつくり、現在この太鼓は、島根県の美保神社にあり国の重要文化財に指定されています。
ここは、その太鼓屋又兵衛の屋敷があった場所です。

しかし、屋敷跡だと言うならそれらしい整備手法もあったでしょうに、実際はゲゲゲの鬼太郎の家みたいなモニュメントが据えられていて、そればかりが目立っている状態です。

■モニュメントの案内
浪速玉姫公園周辺は、昔、渡辺村と呼ばれ、皮革産業、なかでも日本の伝統芸能を支え、発展させた太鼓の生産地として栄えてきました。
 この時計は太鼓と打ちてをモチーフにしています。定時になればガラスが透明になり、回転する台の上で太鼓を打つ2体のからくり人形が現れ、太鼓の音を鳴り響かせるようになっています。
この太鼓の音色は、太鼓集団「怒」の演奏から収録したものです。
時計を支える曲線の柱は人々の腕を表し、歴史と文化を支えてきたことを表現しています。
また、複数の柱が組み合わせてあるのは、人々の交流を表現しています。

モニュメント周りに比べると、残り半分の林間広場の方が落ち着いて良い雰囲気です。
おもにサクラ、ケヤキなどが植えられているので、花や紅葉の季節も美しいのではないかと思います。

もっともケヤキの樹も、ただそこにあるだけではありません。
太鼓がらみの教材として解説付きで植えられています。

ところで公園の隣りには、公園名の由来と思われる玉姫大神をお祀りしてある小さなお社があるのですが、傾いた鳥居を縄で社殿に縛り付けてなんとか維持しており、なかなか大変な状態になっていました。
危ないので、いっそ鳥居だけ取り壊してしまったほうが良いように思うのですが、やっぱり神社には鳥居って無いといけないものなのでしょうか。

公園のモニュメントにお金をかけるよりは、その数パーセントの費用でこの鳥居を修繕するほうが、街の美観向上に役立つと思います。

(2015年10月訪問)

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