個人的には、新しかろうが古かろうが、市民参加で計画づくりをしていようがいまいが、公園というものは基本的に「みんな」のものだと思うので敢えて公園名に「みんな」を付けるのには違和感がありますが、それはさておき。
区境はまたいでいますが、この付近もNo.820、821、822あたりで見てきたのと連担する木造住宅が密集する地区で防災上の課題が多かったことから、UR都市機構が大学跡地整備に参画し、ファミリー向けのマンションと防災機能を持った公園、福祉施設などを一体的に整備する事業が実施されました。
下の写真で手前が公園、奥がマンション、エレベーターの左の方が福祉施設です。
と言うことで、園名板からして防災重視。はじめから避難場所への誘導標識と一体化しています。
園内に入ると、案内図には防災施設の配置を示した案内図。
災害用トイレ(マンホールトイレ)、防災パーゴラ、かまどベンチ、耐震性貯水槽、ポンプ井戸など、防災公園ではお馴染みの施設が並びます。
災害用トイレ(マンホールトイレ)は、よく見かけるタイプです。
この公園には防災倉庫もあるので、そこに便座やテントなどが収納されているのだろうと思います。
防災パーゴラは、災害時にはテントのようなものを屋根に架けたり壁代わりにしたりして、建物のよう使うことができるパーゴラです。
しかしベンチなどが置かれていないので、逆に普段はどう使って良いものか少し迷います。
かまどベンチ。
ここのものは若干大型で、座板部分が木製です。いざという時は、この座板を燃料とすることができるタイプです。
隣接する福祉施設は2階部分が公園と繋がっており、広い階段とエレベーターとで往き来をすることができます。
階段をのぼった2階のデッキ部分も屋上緑化された小広場になっています。
位置的には公園の防災倉庫の屋上で公園から自由に往き来できるのですが、どちらかと言えば公園ではなく福祉施設との一体感が強い空間です。
ほかの公園であまり見かけないのは、災害時に大型テントの代わりとして集合場所や倉庫などに使える複合遊具っぽい遊具群。
あえて「群」と付けたのは、遠目に見ると大きな複合遊具なのですが、実はそれぞれがまったく繋がっていない個別の遊具だからです。
災害時には遊具の青い支柱に備えられている穴に紐などを通し、テントのようなもので間を繋いで室代わりにするのですが、その時にできるだけ広い居室空間を広く取れるようになっていているのでしょう。
しかし、こうやって改めて見せられてみると、「滑り台と雲梯と登り棒がくっついて複合遊具になっている意味って、いったい何だったんだろう」と思ってしまいます。別にバラバラでも子供たちは楽しそうに遊んでましたw。
いざという時の生活用水にもなるかも知れないジャブジャブ池は、訪れた前の週までが夏の開設期間。ちょうど水を抜いて清掃中でした。
しかし、この公園の一番の魅力は、なんといっても中心部を大きく占める草広場でしょう。災害時には避難場所になりますが、普段は走ったり転がったりと自由に遊べます。
周囲が混み合った住宅地なだけに、この空間は大きな魅力です。
話は変わりますが、冒頭の園名板に掲載されていたこのピクト。
災害時の避難場所を示すもので、近くの学校や公園などで見かけたことがあると思います。
ところが、以前とある集まりで、幼稚園児に「なんのマークだと思う?」と質問した時に、元気よく「落とし穴があるから気を付けて!」と答えられたことが忘れられません(笑)
自分たちは避難所のマークだと思い込んで見ていますが、それこそが落とし穴だということ。
「子供や外国人などにしっかりと伝わっているのか?」ということをもう一度考えてみる良い機会でした。
(2014年9月訪問)
突然のコメント失礼します。私、編集プロダクションオフィス303(https://www.office303.co.jp)の本橋と申します。子供向けの書籍やパズル雑誌を編集している会社になります。現在、様々な標識や記号をまとめた子供向けの図鑑を編集しているのですが、よろしければこちらの記事に掲載されている「防災施設の配置を示した案内図」のお写真を借用することは可能でしょうか。大変お手数なのですが、データの借用が可能でしたらこちらrino★office303.co.jp(★→@)までご連絡いただけますと幸いです。何卒よろしくお願いいたします。 本橋
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