台東区の鶯谷(うぐいすだに)。
京都から連れて来て放された鶯が鳴く風光明媚な土地として名付けられたと言い、明治時代には多くの文人が住んだ場所でもあります。
しかし、今の鶯谷駅周辺と言えば、笑福亭鶴光が約40年前に歌った「うぐいすだにミュージックホール」のような町のイメージがあり、その象徴がラブホテル街。
鶯谷公園は、そんな駅近のラブホテル街の中にある小公園です。
下写真右手の樹が生えているところが公園です。
戦災復興区画整理事業による整備、1950年(昭和25年)の開園だそうなのですが、当然ながら街はラブホテル街として復興したわけではありません。もともとは駅近の住宅地に、ちらほらと料亭の混じる土地利用だったようです。
が、徐々に周辺環境が変わってきて、件の「ミュージックホール」の頃には猥雑なイメージが定着していたのではないかと思われます。
さて、現在の鴬谷公園。
仕立てとしては児童公園なのですが、出入口が面する細道はラブホテル街、両隣はラブホテルとスナック横丁、裏側はJRの線路という立地で、子供の利用は少なそうです。
園内の概観。広場の中央に時計とケヤキの樹。外周部にはパーゴラと、ポツリポツリと遊具が置かれています。
遊具は、滑り台、揺れる乗り物、ブランコ、砂場、球形ジャングルジムなどがあって、数・種類の上ではそこそこ充実しています。
ブランコは一般的な座板タイプと、幼児向けの椅子タイプ。ほかの場所にあればもっと使われるのでしょうが、残念ながらこの立地ではほとんど利用者はいなさそうです。
テント屋根を張れるようになった砂場も、ちょうど掃除中できれいに掃き清められているのですが、普段はどの程度の利用があるのでしょうか。
まぁでも、公園周辺の状況が変化して、公園から子供が少なくなるというのはここに限った話ではないので、特段に落ち込むことではありません。大切なのは、変化した状況にあわせて、公園も変化していくことです。
もっとも「ラブホテル街にあわせた公園」がどんなものかは、私もまだ掴めていませんが、ベンチは一人掛けでない方が良いとは思います。
本ブログにおける「宇宙遊具」のカテゴリに入れたくなる、土星のようにリングが取り巻く球形ジャングルジムがあったのですが、それにもたれかかって煙草を吸っている人がいたもので、写真を取り損ねたことが残念でした。
(2014年9月訪問)
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