西代蓮池(にしだいはすけ)公園は、山陽電鉄・神戸高速の西代駅のすぐ近くにある、多目的広場やジョギングコースのある公園です。
もともとこのあたりには、行基が掘らせたとも伝えられる大きな溜池があり、蓮池と呼ばれて昭和初期まで付近の田畑を潤していました。
しかし市街化の進展とともに水利の需要が減り、また開発用地として池は埋め立てられて、大正天皇の御大典記念事業で野球場、プール、陸上競技場などがつくられて神戸市のスポーツの中心地になりました。私が学生だった1980年代までは、ここのプールで市の大会が開かれており、よく泳ぎに来ていたことを覚えています。
その後、スポーツ施設の老朽化、阪神・淡路大震災による被害、周辺の復興区画整理、阪神高速の新線建設など色々な要因があって、スポーツ施設は統合整理されて県立体育館だけになり、野球場やプールは廃止されて、その場所が現在の西代蓮池公園となりました。
と言うことで、公園の中には昔を偲ばせる蓮池がつくられています。規模は往時とは比べ物になりませんが、歴史を紡ぐこういう仕掛けは嫌いではありません。
また野球場も、戦後しばらくまではプロ野球公式戦も度々おこなわれていたそうで、市民にとっては思い出深い場所だったようです。そこで公園の広場には、野球場だった思い出がデザインに取り入れられています。
ホームベース型の角柱、そこから伸びる白線の先には各ベースを示す角柱。この位置からは見えませんが、ホームベース正面の花壇部分は、ピッチャーズマウンドになっています(ただし、実際に野球場のダイヤモンドがあった位置とは、かなりずれているようです)。
ならば私の思い出のプールのメモリアルもどこかにないものかと思いましたが、残念ながら見当たりませんでした。潜水艦とカメ、サカナの遊具広場は、プールではなく海でしょう。
この広場を含めて公園の外周部がウレタン舗装で走りやすいジョギングコースになっており、今も市民の健康スポーツの拠点であることは変わりません。
高学年くらいの児童が好きそうな大がかりな遊具もあり、楽しみの多い西代蓮池公園でした。
おまけ.
透明ドームの消火栓の中に草が生えてしまい、お洒落なテラリウムのようになっていました。もともと土のある場所ではなし、根がどうなっているのか気になります。
(2014年6月訪問)
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