621/1000 上沢通8丁目公園(神戸市兵庫区)

2014/03/21

神戸市兵庫区 身近な公園 兵庫県

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神戸市兵庫区の上沢通(かみさわどおり:町名)では、阪神・淡路大震災からの復興過程で、1丁目から8丁目までの丁目ごとに8つの小公園が整備・再編されました。

その中の上沢通8丁目公園。愛称は「弥生の里」です。

現地の解説板によれば、縄文時代後期から奈良時代にかけての複合遺跡だということで、目玉は奈良時代の井戸跡と、そこから出土した銅製の鋺のようなのですが、なぜか公園名には弥生時代が取りあげられています。

■現地の解説板より「上沢遺跡」
上沢遺跡は、1988年度に発見された遺跡です。兵庫区上沢通の地名から上沢遺跡と名付けられました。
遺跡は兵庫区と長田区の区境にひろがり、第1次発掘調査が、1988年度から始まりました。阪神淡路大震災後の山手幹線の拡幅工事や区画整理事業の進展に伴い調査数が増大しました。
遺跡は縄文時代後期(約3000年前)から鎌倉時代(約800年前)におよぶ複合遺跡です。複合遺跡とは、遺跡の範囲に複数の時代の生活跡が重なって存在する遺跡のことです。調査数の増大とともに、当地域の歴史を明らかにする多くの資料が数多く発見されました。
特にこの公園では、井籠組(せいろうぐみ)と呼ばれる精巧な井戸枠を持つ奈良時代の井戸が発見されました。井戸の中からは、ウサギ・ヘビの骨や壺や埦などとともに、銅でできた鋺が出土しました。この銅鋺は奈良東大寺正倉院や法隆寺にあるものと同様のもので、当時としては非常に貴重なものです。その他に弥生時代から鎌倉時代にかけての家・溝・井戸の跡や土器・石器などが数多く発見されています。
このように上沢遺跡は、人々の生活が3000年の間にわたり、連綿と営まれてきた遺跡であることがわかり、このあたりは昔から人々が暮らしやすい地域であったようです。
神戸市教育委員会

もっとも、園内はクスノキをシンボルツリーに、幼児向けの複合遊具と揺れる遊具を2点ほど置いた遊び場仕立て。目立って遺跡っぽさは出ていません。
せめて揺れる遊具は、バイクではなく、井戸の中から出土したというウサギ、ヘビあたりを使って欲しかったと感じます。

この遺跡から出土した銅鋺の写真は、下のページで見ることができます。

●神戸市埋蔵文化財センター 収蔵資料紹介ページより「銅鋺(どうわん)

(2014年2月訪問)

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