本町(ほんまち)公園は、鳥取市の旧市街地にある小公園です。周りを住宅に囲まれた変形の敷地で、出入口が狭く奥がやや広い形状なので「鳥取市街地の奥まった公園」に分類します。
メインの出入口は、鳥取市内で多く採用されている親子ライオンの像が守っています。
公園施設らしいものは鉄棒とコンクリート製のベンチくらい。あとは、かなり野原っぽい施設内容です。
手洗い用の水道もあるのですが、仕立てといい、洗面器の積み上げられた様子といい、隣の家の勝手口の脇に置かれていることといい、とても公園施設には見えません。
その横手の方にはリンゴの木箱が積まれています。今の時代、リンゴ箱そのものが珍しくなっていますので、かなり前から打ち捨てられているのではないでしょうか。
それにしても上の水道と言い、公園とは思えない生活臭が漂っています。
公園の最奥部には小さな社があって、そこからライオンがあったのとは反対側の街路へと抜ける細道があります。
細道に面して何軒もの住宅の戸口(シャッター)があり、排水溝の形状も道路っぽいので、公園の園路ではなく一般道(私道?)であるようです。
社の横にあるお宅も、勝手口が公園に面して開いており、ゴザを敷き詰めた専用通路がつくられていました。
No.538の三軒屋公園にも似たようなところがありましたが、一連の状況を見ると、この公園では、公園区域と周囲の住宅との境界が曖昧になっている気がします(実際の敷地境界はきちんとあるのでしょうが、実体的な空間利用において)。
このような仕立て方は、今日の都市公園ではあまり採用されない手法なのですが、鳥取市街地の公園には多いような気がしてなりません。
No.533のなかよし公園やNo.534の西町公園で触れた形状の特殊さと同様に、防災的な意図(直接区画道路に面することのできない奥まった住宅が多いため、公園を通路代わりに使えるように配置している)のではないかと想像します。
また、まったく反対に、街区の中から道路に面した土地を先に宅地にしていって、残った土地を公園にしたのかも知れないのですが、実際のところは開園当時の資料などを当たってみないとわかりません。 「いつかは!」の宿題です。
(2013年10月訪問)
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