平安時代には、平家一門の邸宅群(西八条第:にしはちじょうてい)があった場所ということで、整備に先立つ発掘調査で遺構が見つかっています。そのあたりのことは梅小路公園の公式サイトに譲ります。
さて、現在の梅小路公園。まちなかの大公園ということで、休日には多くの人が、思い思いの利用をしています。
例えば、公園西北側の七条入口広場でダブルダッチをやっている団体に出くわすことがよくあります。
詳しいことは知りませんが、京都にあるいくつかの大学サークルが合同で交流会みたいなことをしているようです。あえて公園の中でも目立つ場所で、練習とも披露ともつかない活動をおこなうというのは、かつてのホコ天、城天のような利用のバリエーションのように思います。
そこから園内に入っていくと、都市緑化フェアの施設でもあった緑の館があり、その奥に朱雀の庭、いのちの森があります。緑の館は会議室や茶室などの貸し室、レストランとして利用されており、朱雀の庭は池泉回遊式庭園、いのちの森はビオトープです。
ちょうどこの記事で訪れたのは冬場で、庭も森もあまり面白くない時期だったので中には入りませんでした(有料施設なのです)、森の方には樹冠を観察できる空中回廊なんかもあって季節が良ければ楽しめる施設です。
さらに東に進むと芝生広場があります。
芝生広場の面積は2.3ヘクタールということで、京都市街地では破格の広さです。
また広場の端には野外ステージがあり、コンサートが開かれることもあります。
有名どころでは、くるりプレゼンツの『京都音楽博覧会』が例年ここを会場としていますが、さすがに1万人規模のコンサートになると、このステージでは足りず、別に仮設の大型ステージが組まれます。
ちなみに、広々とした芝生広場なのですが、凧揚げは禁止されています。
理由は、公園のすぐ隣をJRの山陰本線、東海道本線が通っていて、凧が落ちると危険なため。
それぞれの公園に、それぞれの事情があるものです。
芝生広場の北側にあるのが、2012年(平成24年)にオープンした京都水族館。
まだ入ったことはありません。
芝生広場の南側にあるのが、河原遊び場という人工の流れ。
遊び場として作り込んではいるのですが、仕立てはあくまで自然風というあたりが、私のお気に入りです。
上の写真、一見するとタダの石のように見える噴水があるの、わかりますか?
そして、ここまでの施設とは離れた西端には、梅小路プレイパークの場ともなる「ふれあい広場」があります。大型の複合アスレチック遊具や、京都市電を動態保存している施設(有料で乗車できます)などがあります。
どちらも都市緑化フェア開催時からの施設なのですが、JR西日本が梅小路蒸気機関車館を拡張整備して鉄道博物館を新設する予定地となっているため、公園内の別の場所に移設される見込みです(JR西日本は市から公園の一部を借りて博物館をつくり、市は開園区域に隣接するJR西日本社宅跡地を借りて公園とし、そちらに路面電車は移されるようです)。
●京都に国内最大級の鉄道博物館、16年春開業(日本経済新聞)
ということで、梅小路蒸気機関車館にも行ってきました。
こちらはJR西日本の施設なのですが、公園整備以前からの人気施設であるため、公園計画においても蒸気機関車館との一体的な利用促進が掲げられています。
国の重要文化財に指定された扇形車庫にズラリと並ぶ蒸気機関車は、国内随一のものです。
保存されている19両のうち7両は動態保存で、山口線(SLやまぐち号)、北陸線(SL北びわこ号)で運行している車両も、普段はここを基地としています。
施設内での体験乗車(SLスチーム号)やイベント時にはミニSLの運行もあって、今でもずいぶん楽しめるのですが、これが鉄道博物館として拡大整備されると、休日には近寄れないほど混み合うのではないかと心配になります。
公園は京都駅と丹波口駅の中間にあって、どちらからも歩くと微妙に遠い(15分ほど)ので、公園の再整備や鉄道博物館のオープンに合わせて、両駅からの遊歩道の整備、新駅の設置(都市緑化フェアの期間は、公園の東隅の方に仮設駅が設置されていた)などが実現すれば良いのですが。
●京都市都市緑化協会による梅小路公園のページ
●梅小路蒸気機関車館のページ
(2013年1月訪問)
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