No.229の富名腰井戸の時に触れましたが、宮古島は島全体が隆起した珊瑚礁由来の石灰岩でできており、これが隙間だらけで非常に水を通しやすいため降った雨がすぐに地下に染みこんでしまいます。したがって地上には池や川ができにくく、水の確保には苦労する土地柄です。
しかし石灰岩層の下には水を通しにくい粘土や泥岩の層があるため、石灰岩の隙間に水が溜まります。この水が地下の地形にそって流れ、どこかで湧き水になるのですが、それを地下で堰き止めて地下貯水池をつくり、ポンプで汲み上げて使おうというのが「地下ダム」です。宮古島では、地下ダムができてから農業のあり方が劇的に変わったと言われています。
ということで、そうした地下ダムのひとつに関連して整備された皆福(みなふく)地下ダム公園へ行ってきました。じつは近くに地下ダム資料館というのもあって、本当はそこに行こうと思ったのに間違えて地下ダム公園に着いてしまったことは内緒です。
こちらの公園にも地下ダムの解説があるにはあるのですが、解説が書かれたフィルムシートが傷んで剥がれ落ちているため地下ダムの全貌はまったく読み取れません。きっとこの公園のどこかの地下に、ダム堤体や貯水池にあたる部分が隠れていると思うのですが。
ちなみに解説板の周りに使われているのが琉球石灰岩です。石なのに、隙間がたくさんあるのがわかると思います。
公園の中には美しい円形の池があります。この水が地下ダムから汲み上げられたものではないかと想像されます。
池にはたくさんのカエルがいました。写真ではわかりにくいですが、池岸の日陰には一目百匹くらいのカエルが群れており、なんだか数年分のカエルを一日で見たような気分になりました。
帰ってから資料で見てみると、どうやらミヤコヒキガエルという種類だったようです。
さて、池の真ん中で椅子に座り「くつろぎと創造」と訴えかけるこの男性像。
下に黒川睦夫(1940~1984)と刻まれているので、てっきり彫刻の作者かと思ったら、農水省の技術者として地下ダム建設に尽力し「地下ダム男」とまで呼ばれながら早逝した人物だそうです。
物の本によれば、実際の黒川氏は「いつも片手に分厚い資料をかかえ、何時みてもとにかく忙しそうな方だった」とのことですが、ここではゆったりとくつろいで書物を読みながら、なにやらアイディアを練っておられるようです。
戦前ならまだしも、昭和も終わり近くなって亡くなった一公務員を顕彰する像が立てられるというのも珍しいことですが、宮古島の方々が地下ダムと黒川氏を大事に思っている証拠なのでしょう。
池から離れると人工の流れがある原っぱがあり、入り口には「ホタル石広場」の看板があります。
ホタル広場ではなくホタル「石」広場というからには、きっと園路かどこかにキラキラ光る石が埋め込まれているのだろうと思ったのですが、訪れた時期が悪かったのか草ぼうぼうでまったくわかりません。
草むらの中には、宮古特産の宮古馬の親子やら牛やらの飾り物が草を食んでいました。
沖縄本島なら、こんな草むらに入りこんでまで写真を撮ることはしないのですが、宮古島にはハブがいないので安心です。ハブがいないから、カエルも安心して集まっているのかも知れません。
(2012年10月訪問)
前日初めて宮古島へ行き、地下ダム資料館を見学してきました。近くでダムの一部を見ることができるのですが、カエルの死骸が沢山あって何故だろうと思いました。この記事の蛙たちなのかもしれませんね!
返信削除ブログ作者です、コメントありがとうございます。
削除記事の中で私が行きそびれた地下ダム資料館ですね。ダムの一部を見学できるとは知りませんでした。
宮古島で目にするカエルはミヤコヒキガエルばかりで、サトウキビ畑の農道などを歩いては轢かれているので、おそらくはそれだと思います。