223/1000 松尾公園(沖縄県那覇市)

2012/12/29

沖縄県 身近な公園 那覇市

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那覇の観光地と言えば国際通りですが、それに隣接するところでガイドブックなどでよく紹介されるオシャレ通りが浮島通りで、古くからの店に混じって若者向けの古着屋やカフェが点在しています。
その浮島通りから少しだけ坂を上ったところにあるのが松尾公園で、那覇市街に多い、斜面地を上手に取り込んだ形の公園です。

こちらが坂の上、那覇高校の向かいあたりから見た松尾公園です。奥の方にワラビかゼンマイみたいに地面から突き出た石造のモニュメントが見えるあたりから斜面になっていますから、平らな広場はさほど広くありません。
ちなみに手前の石敷きの部分、写真の都合で半分ほどしか写っていませんが、黒い模様は那覇市の市章型になっています。

こちらがモニュメントあたりから斜面地を見下ろしたところ。
急斜面ではありませんので、走り回って遊ぶこともできます。感覚的には奈良の若草山くらいの草斜面です。

斜面の下の方には渦巻き型の滑り台やジャングルジム、健康遊具などが置かれています。

間に細い道路が入っており、公園は南北二つに分かれています。
北側は浮島通り方面に向けて付きだした尾根上の地形になっており、脊梁部には神殿風の柱のモニュメントがあります。舗装が傷んだのを時期を変えて修繕したのか、あるいは後になって園路を増やしたのか、モニュメントへ向かう直線と左の歩道の舗装がまったく統一されておらず、見た目に少々難ありです。

モニュメントの先には、これまたモニュメントかと思わせる謎のサークルがいくつもありました。おそらくは一本柱の東屋に丸太のスツールが並んでいた跡だと思うのですが、それにしてはスツール同士の間隔が狭いような気がします。
遺跡の復原手法で、柱の位置や太さはわかるけれど建物の構造まではわからない場合など、柱の根元の方だけを復原する手法がありますが(個人的にはこの手法を「阿部定方式」と呼んでいます)、多分それとも違うでしょう。

松尾公園のなにかの跡

阿部定方式の例(松江市 田和山遺跡)

さらに坂を下りると、小さな遊具広場に出ます。 遊具はブランコと揺れる動物だけですが、パーゴラやトイレもありますので、浮島通りの買い物に疲れた時は、ちょっと休むのにちょうど良いと思います。

(2012年12月訪問)

【2018年8月追記】
久しぶりに松尾公園を訪ねたら、古くなっていた遊具が色々と撤去・交換されていました。
まず最下段にあった2連ブランコと揺れる動物遊具はなくなり、幼児向けの小さな複合遊具に変わっていました。

渦巻き滑り台やジャングルジムは撤去され、代替品は置かれなかったようです。

遊具が減ったせいで他のところに目が届くようになったから、というわけでもありませんが、以前は気づかなかった石碑を見つけました。明治・大正・昭和に渡って活躍した琉球舞踊家の玉城盛義(たまぐすく・せいぎ)顕彰碑です。

なんだか石を割って飛び出してきたかのような活き活きとしたデザインの石碑です。
調べてみると、石碑そのものが那覇市出身の彫刻家・能勢孝二郎の作品だそうです。

■碑文より
沖縄が生んだ郷土芸能の大家、玉城盛義師匠は、明治、大正、昭和の三時代を沖縄の芸能文化の発展と継承のために尽くされ、昭和46年1月19日、83年の輝かしい生涯を閉じた。なかでも未曾有の第二次大戦をくぐりぬけた昭和の年代は、数々の文化遺産を始め、郷土芸能の存亡をも危惧された時代であった。このような逆境の中にあっても郷土芸能を愛し守り通してこられ、数多くの後継者を育成して今日の急性を築き上げた。ここに顕彰碑を建立してご功績をたたえ末永くご遺徳をしのびたい。
平成2年12月吉日 玉城盛義顕彰碑建立期成会

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