No.3756 祖原公園で登場した元寇の古戦場・麁原山(そはらやま)は、当時は博多湾岸の低湿地にポツリと浮かぶ高地だったと聞いていたのですが、実際に来てみると、その西500メートルほどに、付近ではまれなもう一つの小山である紅葉山がありました。山の頂部は紅葉八幡宮の境内ですが、その周りの8,284平米が紅葉山公園という都市公園になっています。
標高33.2mの麁原山よりもさらに低く、元寇関係では聞いたことがないのですが、公園としてはこちらのほうが個性が際立っている面があります。
その理由は、宇宙から帰ってきた来たジャングルジムです。
ある程度の年代以上の方でないと思い当たらないと思いますが、これはもうアポロ月面着陸船としか言いようがない外観。
このタラップを通れば、地球は青かった、「アームストロング船長は、人類史上始めて月に降り立った人類となりました」ごっこが楽しめます。
周りの地面に旗を立てるのも面白いかも知れません。
50~60年前時点の近未来アイテムといえば、パラボラアンテナ。
地球との交信のためには欠かせないもので、本物の月着陸船の頂上にも付いていました。
支えのパーツがやたらと多い割には、遊具としての遊び機能は弱く、装飾メインの役割。だけど、それがいいのです。とにかくアポロを再現したかった気持ちがよく伝わってきます。
あと、この何かわからないけど、アポロにも付いていた突起物も再現されています。通信機器かセンサーか、アポロでの用途はわかりませんが、遊具としては掴まる、ぶら下がるなどの遊びに使うことができます。
アポロでは金色の耐熱シートで守られていた脚部は、ジャングルジムとしての本体です。
が、中の方は上部を歩きやすくするステップによって蓋をされたような構造になっているので、外側の部分しか使われていないのではないかと思います。
上部の方は、色々な形でラダーが組み合わされており、遊びにはこちらの方が面白みがあるでしょう。
さて、ずっと月着陸船の話をしてきましたが、ところどころにカメが交じっていたことにお気づきでしょうか。
そう、月着陸船の隣には、カメの形をした大きな石の山遊具があるのです。
宇宙船とカメといえば、浦島太郎が出かけたのは竜宮城ではなく宇宙だという説や、いわゆるウラシマ効果のことが思い出されて、70年代日本的なSF感覚が蘇ってきます。
遊具としては斜めガケ登りと人研ぎ滑り台とを軸とする一般的な石の山遊具なのですが、土管トンネルや展望台のようなスペースも組み合わせており、なかなか力が入っています。
展望台と書きましたが、見方によっては操縦席というか、潜水艦のセイル部分というか、それっぽい形をしているところが、子供の遊び心を掻き立てます。
目の部分も、人が通るには狭すぎるわけですが、砂を投げ込んだり、ボールを転がしたり、色々な遊びに使えそうです。
さて、カメの横にある階段を上ると、その先が紅葉八幡宮です。
階段を上りきった先、左に進むと明らかに参道で神社に通じるのですが、右の植え込みの中に小さな階段があるので、そちらを進んでみます。
こちらには、マツ林に囲まれた小広場があり、パーゴラやベンチなどが設置されていました。ここも公園区域なのかはわかりませんが、皆が自由に憩うことができる場所であることは間違いありません。
アポロとカメにすっかりやられたので、注意看板の中でも、とくに遊具は大切にする約束は守ってほしい紅葉山公園でした。
(2024年2月訪問)
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