芦屋市にある打出(うちで)公園は、市街地にある小さな公園なのですが、昭和の中頃から40年以上、タイワンザルが飼育されており、近所では「おさる公園」などと呼ばれて親しまれていました。
平成の中頃にそれら飼育動物がいなくなった後に、No.528として記事にしたのですが、2024年春に、使われなくなった飼育舎を撤去するなど全面的に再整備されたので、改めて記事にします。
以前は、飼育舎にスペースを取られて、遊具も広場も混然とした空間になっていたのですが、新しく中心部に半円を描くような園路が設定され、それによって大きく3つに区切られた園内が、それぞれ幼児向け、児童向け、広場に大別されました。
さらに北側に隣接していた図書館の庭園とも繋がって、利用可能面積がグッと増えています。
まず幼児向けの遊び場。東側の出入口に近いところに、パーゴラやコンクリート製のロングベンチに囲まれるような形で、揺れる動物遊具、以前からあったカニの再利用コンクリート遊具、砂場などが集まっています。
No.528で書いたように、以前は本物のお猿がいた飼育舎に向かい合うようにカニ遊具が置かれて「さるかに合戦状態」を作っていたわけですが、今回はどちらも遊具として直接対決です。
でもお猿の遊具は、設置から間もないのに、もう使用禁止になっていました。ものの破損はなさそうなので、施工上のミスでもあったのでしょうか。
そこから広場を挟んで反対側に、少し大きめサイズの滑り台や2連ブランコを置いた児童向け遊び場が配置されています。
改めて、高いところから広場を見渡すとこんな感じに。
公園とお庭との間には柵・門があって、図書館の休館日などは門が閉じられるようです。
お庭そのものも改修されており、歩きやすいように園路に舗装を入れたり、繁っていた植物を間引いたり、新たにモミジなどを植え直したりといった手入れがされています。
池に近づけるポイントがたくさんできて、従来であれば大人がゆっくりと歩き巡る庭園だったものが、子供が虫や魚を探したりできるようになりました。
園内の注意看板も、お猿デザイン。あまりデフォルメされていない、リアルタイプお猿のシルエットが象られています。
禁止事項ばかりを羅列するのではなく、最小限のサインと、「やって良いこと」を示すのは、最近の注意看板で多くなっているスタイルです。
おさる公園としての歴史が記された看板も新しく設置されました。
この3つの看板を取り付けてあるフェンスは、もともとの飼育舎のフェンスを再利用したものだそうです。
そして、以前のNo.528時代にいたキャラクター「カフカの猿」や「うちでちゃん・おいでくん」は引退しましたが、新たにサルと打出の小槌が合体した「うちもん」が登場し、本物のサルはいなくなっても、おさる公園の記憶は途切れません。
前回の記事では、「いつか村上春樹がノーベル文学賞を取ることがあれば文学碑が建つかも知れないのですが、猿舎の撤去とどちらが早いか気になる」と書いたのですが、撤去が先になってしまった打出公園でした。
(2024年5月訪問)
0 件のコメント:
コメントを投稿