和泉中央駅の南に広がるニュータウンの一角に、昔話の「かちかち山」をモチーフにした小公園があります。
数ある著名な昔話の中でも、タヌキがお婆さんを杵で殴り殺して婆汁にしたり、それをお爺さんに食べさせたり、背中を燃やされたり、溺れているところを櫓で叩き沈められたりと、なかなか扱いの難しいお話だと思うのですが、とにかく、かちかち山の公園です
それがこちらの壁画の奥。公式愛称として「かちかちやま公園」を名乗っている、のぞみ野2号公園です。
正式名称は、壁画に比べてずっとシンプルな園名板に刻まれています。
園内には、小ネタはちょこちょことあるのですが、大まかには土敷きの広場とその周りに遊具が何点か、そして住宅との境に高さ3~4メートルくらいの小山が築かれています。
もしかして、これがカチカチ山?
小山の頂上は軽く舗装されており、園内を広く眺める事ができます。とても見晴らしが良いので、カチカチ鳥は隠れていなさそうです。
芝生の山からは、橋を渡って盛土山遊具に行き来することができます。
山が2つあるから、盛土山の方がボウボウ山でしょうか。大きいほうがカチカチ山と決まったものでもありませんが。
盛土山遊具も、芝生山に負けずにそこそこ大きく、また、他の公園でよく見かけるように上から見ると真円・楕円といった整った形をしているものではなく、自然の山のように不整形に造られています。
でも、隣に芝生山があって見比べてしまうので、高速道路沿いなどで、土砂崩れ防止のためにコンクリートで固められた山のようにも見えてしまいます。
その隣に、もう一つ小さな盛土山遊具があり、こちらは石の山滑り台になっています。
滑り部に描かれた模様からして、これはウサギの耳であるようです。
ということは、これはウサギの歯か!
スペースの都合で引いた位置からの全景が撮影ができないのですが、砂場の枠が顔になっていて、耳と目鼻が付いて、ウサギの顔になっているようです。
同じようにタヌキの顔が描かれた一角もあるのですが、こちらは上下左右がイマイチはっきりしません。
後から写真を何度も見直したのですが、やっぱりよくわかりません。出入口を入ってきた時に、タヌキの顔が見えるようになっているのかな。
遊具としては、和泉市でよく見る形の、デッキ部分に三角屋根のティピーが乗った滑り台。
こちらが、お婆さん殺害の犯行現場に残された臼と杵。鍋があれば、なお凄惨な感じになったと思います。
物語の舞台の再現ですが、遊具としてはどう遊べば良いものか迷います。
遊具はもう一つありますが、後から付け加えたものとも思われ、かちかち山にまつわる要素は取り入れられていません。
トイレに至っては、近未来的な色彩の窓が目立っていて、タヌキもウサギもどこかへ行ってしまいました。
住宅地の奥で、思いがけず出会った和泉市のかちかちやま公園でした。
(2024年5月訪問)
通りがかり失礼します。楽しく読ませていただきました。2008年ごろこの近所に越してきたときは、遊具になぜかオバケのイラストが描かれており、しかも塗料がはげ放題で子どもを遊ばせるのを躊躇させるほどでした。折角良い公園なのに、という旨を市にメールしたところ、その年のうちに改修されて写真にあるように新しい遊具も追加されました。三角屋根には当時一つ目のオバケが描かれていたのを覚えています。ですのでカチカチ山を前面に推したコンセプトの公園ではなかったようです。たぶん。
返信削除こんにちは、ブログ作者です。貴重な証言をありがとうございます。
削除まさか、以前はオバケ公園だったとは。今からは想像もつかない姿に驚きました。
公園のデザインモチーフでカチカチ山もまぁまぁ唐突ですが、ひとつ目オバケというのも、かなりのものですね。ご近所に、昔話の絵本作家でもお住まいなのかと考えてしまいます。
なんどもすいません。いまいちど思い出すと現在の三角屋根のうさぎのやや不自然な黒い鼻の部分が、当時一つ目オバケの目の部分だったと記憶してます。意図して面影を微妙に残した粋な計らいだったのかもしれません^^
削除何にせよ、早々に綺麗になったので役所にも言ってみるもんだなと思いました^^
こんにちは、ブログ作者です。
削除こちらこそすみません、暑すぎてパソコンに向かう気力を失い、返信が遅れていました。
またしても貴重な証言ありがとうございます。
そう言われて写真を見直してみると、確かに目玉に見えてきます。
しかし、穴が空いて黒くなっているわけではなく、ペイントで黒目だった部分をウサギの鼻に変えるのは、実際の塗装作業のことを考えると、なかなかの手間ですね。
どうしてそこまでの労力をかけようと思ったのか、黒目玉にどのようなこだわりがあったのか。謎が深まりますが、同時に興味も深まります。