3569/1000 一景島公園(宮城県気仙沼市)

2024/03/09

気仙沼市 宮城県 社寺御嶽 身近な公園

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気仙沼市の一景島(一景嶋:いっけいじま)は、昭和中期に周囲が埋め立てられるまでは気仙沼湾内に浮かぶ岩礁で、「浮島」とも称され風光明媚な景勝地であったそうです。
今はそこに一景嶋神社が祀られており、この神社の隣に一景島公園があります。

まずは神社にお参りをします。
もともとただの景勝地だったわけではなく、「皆鶴姫漂着の地」としての伝説もあるということで、解説板が立てられていました。皆鶴姫は、源義経を取り巻く女性として東北の所々にいくつかの物語が伝わっている人物ですが、いずれにしても悲恋のストーリーです。

現地の解説板より「皆鶴姫 漂着の地」

義経伝説に登場する、義経の恋人の皆鶴姫は、陰陽師・鬼一法眼の娘として、古くから歌舞伎などで演じられ、親しまれてきたヒロインです。
気仙沼市本町の天台宗観音寺には、寛政2年(1790)に作成された「当山観世音縁起」という寺社縁起が所蔵されており、そこには、義経が頼朝の憤りを受けて平泉にいたころに、皆鶴姫が義経を慕って東国に至り、病死したことが書かれてあります。
皆鶴姫の守り本尊と共に遺骨が流れ着いたところが、この一景島公園にあたる「一ヶ嶋」でした。その後、義経は皆鶴姫と平家一門の供養をするために、姫の守り本尊であった観音像を安置し、そのことが観音寺の始まりと伝えられております。
皆鶴姫伝説は、後世には、松岩の阿弥陀ヶ鼻(気仙沼市字松崎前浜)にうつぼ舟に乗って漂着したと伝えられ、気仙沼地方の著名な伝説の一つとして、人々にくりかえし語られてきました。
気仙沼ライオンズクラブ

辿り着いたら病死したり、うつぼ舟で流されたりと、あまり縁起の良い話でもないように思うのですが、それでも境内にはハートマークの飾り物が置かれて、恋人たち向けの撮影スポットのようになっています。

そして、境内には大岩がゴロゴロ転がっており、どことなく、ここが島だった頃のことを思い浮かべる縁となります。

でも東日本大震災の津波と、復興事業とで周りの様子は大きく変わったと思われ、もとは島だったはずの境内地が、さっき通ってきた大鳥居よりも随分と低い場所になっています。
これは神社が沈んだわけではなく、復興事業で周りの土地が盛土嵩上げされたからでしょう。

境内と公園とをつなぐ通路も、数段の階段になっています。

さて園内ですが、街区の中でまさしく島状(沈んでるのですが)に神社部分を残し、その周りがぐるりと公園になっています。
利用の上では、神社の北側が中心になると思われ、こちらに遊具や小広場が集まっています。

遊具は滑り台、ブランコ、鉄棒、ジャングルジムなど。最近の整備にしては、やや武骨で堅牢なデザインのものが採用されています。

秋空を背景にそびえ立つジャングルジム。

もともと埋立地で、漁港関連の事業所が多い地区なので、こんなに子供たちの需要があるのかはわかりませんが、4連ブランコ×2基がまとまって置かれています。恋人たちが一緒に並んで乗るのでしょうか。

かつての景勝地からは遠くなりましたが、またこれから町とともに美しく育ってほしい一景島公園でした。

(2023年10月訪問)

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