日本書紀や風土記にも登場するという歴史を持つ有馬温泉は、今も人気の観光地ですが、温泉街は1キロ四方くらいの範囲にコンパクトに集まっています。このうち六甲川の東岸が東之町と呼ばれる一角で、宝塚方面と結ぶ旧・有馬街道沿いにあたります。
六甲川架かる「杖捨橋」には、温泉で養生して健康になった人たちが帰り道に杖を捨てていったという伝承があるので、古くは温泉街の外という認識のエリアだったのかも知れません。
じっさい今も中心部からやや離れて一般住宅が目立つ地区になっており、そこに石倉公園があります。
ただまぁ、その中でも一番奥の山沿いにあって、今となっては使う人も少ないのでしょうか、行ってみると公園というよりは耕作放棄地のような状態になっていました。
園内は地形にあわせて三段に切盛りされているのですが、一番広い下段は枯れ草が堆積したようなグチャグチャの地面になっています。
元々は草芝敷きだったものが、伸びては枯れてを何度か繰り返しているのだろうと思います。
特段の遊具や施設はなく、中段を形作っている擁壁にバスケットゴールのリングだけが残っているくらいです。
その横に階段があって、２メートルほど高くなった中段へと向かうことができます。
しかし、見ての通りの草茫々。
いちおう上ってみましたが、灌木に行く手を阻まれて、これ以上は進めません。
仕方がないのでもと来た階段を下りて、別ルートから最上段へと向かいます。
上段は、資料を見ていると「有馬第2住宅公園」と名前が入っているものもあり、厳密には石倉公園とは別の公園なのかも知れませんが、隣り合わせで数段の階段で繋がっています。
構造としてはサクラがたくさん植えられている一面の広場で、花の時期なら美しくなると思われます。
以前はなにかの遊具でもあったのかも、と思わせるコンクリート基礎跡がありますが、今はベンチも何もありません。
温泉町の外れに佇む石倉公園でした。
（2023年2月訪問）
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