大阪平野の北の方、現在の守口、門真、寝屋川あたりには、淀川の氾濫原で湿り気の多い土地が広がっているのですが、そこを農地として開拓するために数多くの水路が掘られ、農業・生活用水として、また排水路として用いられてきた歴史があります。
そんな中で、地下鉄駅から徒歩10分、現在は住宅地としてびっしりと開発されて、水田などまったく見ることができなくなった守口市梶町に、水路の名残を伝える梶2ひなだ園地があります。
道路と柵との間の細長い芝生地が園地だと思うのですが、肝心の「ひなだ」は、園地にはありません。
では中央の階段から水路の方に降りたところにあるのか、と思ったら、それも違っていました。
樹が繁っていなければ、見えるのかなぁ。農家づくりの住宅から、水路の方に突き出しているはずなのですが。
と言うことで、柵沿いに園内を移動して、ひなだが見えるところまで来ました。
結局さっきの階段は何だったのか。
住宅から水路に向かって開かれた洗い場が、ひなだです。
こちらでは、水害を避けるために住宅そのものを石垣上に築いているので、ひなだの階段もなかなか立派な作りです。
■現地の解説板より「ひなだ」
用水路を利用した「洗い場」のことを守口周辺では「ひなだ」と呼び、かつて用水路に沿って建てられた家々では、食器やお米などを洗う場所として利用していました。この呼び名はひな壇がなまり「ひなだ」となったといわれています。
ひな壇がなまって「ひなだ」なら、さっきの階段も、じつは現代風にひなだを再現したものだったのかと思い直した梶2ひなだ園地でした。
(2023年3月訪問)
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