甲陽園(コウヨウエン)は西宮市の甲山南麓にあたり、大正時代から上質な郊外住宅地として開発されたエリアです。現在の住居表示では、いくつかの甲陽園○○町という町に分かれるのですが、そのうちの甲陽園山王町にあるのが山王公園です。
と言いながらも立地がかなり特殊で、甲陽園山王町の住宅地から離れて、ちょっとした山道を100メートル以上進んだところにあります。
...どこかわかりますか?
道の右手にありました。山道から坂を降りていった先が公園になっているようです。
入口には、チカンとかイノシシかと色んなものに気をつけろと書かれていますが、さもありなんという立地です。
開発後に残された斜面林を使った公園が多い神戸・阪神間では、こういう山道のような公園でも、そこを抜ければまた街があることが多いのですが、ここは森の先に谷川が流れているだけのはずなので、先行きが非常に不安です。
「怖そうな人が寝ていたりしたらどうしよう...」と思いながら坂道を進みます。
でもここで終わりではなく、さらに谷底の方に道が通じています。
階段を降りていくと、こんな空間が広がっていました。なんと、滑り台と砂場があります。
巨石の横に、森に飲み込まれそうなコンクリート製の細ガケ滑り台。こういうのを「ラピュタっぽい」とか言うのでしょうか。
すべり面は、降り積もった落ち葉から出る汁で茶色くなっています。誰かが最後に滑ったのは、何年前のことでしょうか。
公園としてはフェンスまでで終わりなのでしょうが、ドアが付いていて沢に出入りできるようになっています。
出入りできるということは、この先にハイキング道でも通じているのではないかと考えたのですが、沢に出たとたん巨石がゴロゴロ転がっており、とても歩けるような場所ではありませんでした。
なにか枡のような構造物があったので、古い時期に沢から水を引いており、これの管理のために出入りができるようになっていたのかも知れません。
沢を少し下ったところには隣接マンションのものと思われる水道タンクがありました。
ここから山道のような通路でマンションへ通じているようなので、この公園もマンション開発に伴って整備された公園だと思われます。ということは、マンション住まいの子供たちが下から上がってきて遊ぶから、滑り台は谷底で正解なのか。とは言え...
とにもかくにもワイルドネイチャーな山王公園でした。
(2022年7月訪問)
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