3082/1000　阿波根公園（沖縄県糸満市）

糸満市の阿波根（アハゴン）は、琉球王国の時代から続く集落の一つです。
地区の中心部は県道を挟んで大きく南北に分かれ、おおむね北が古くからの集落、南はパークタウンという戸建住宅地になっています。

北側の集落は長方形状の街区で構成される「格子状集落」の形をしているので、18世紀以降の琉球王国の政策で新しく開かれた村の形だと考えてみるのですが、資料にあたって確認はしていません。
この中にムラヤー（村役場や集会所機能を持つ施設）だった土地があり、現在もコミュニティセンターとなっているのですが、その向かいに阿波根公園があります。

沖縄でこういう立地の公園は、拝所などがある伝統的な共有地の流れを汲むことが多いと思います。この公園内にも、まぁまぁしっかりとした森に抱えられた拝所がありました。

コミュニティセンターの方から見ると、園内は2段に切り分けられており、下段は砂場のある一面の広場、上段には拝所のほかに遊具などが置かれています。
でも上段にも砂場があるので、下段の丸い砂場は相撲の土俵なのかも知れません。

上段の砂場の横には、大きく枝葉を茂らせた大木があり、その下にベンチが置かれて休憩所代わりになっています。
現地で見たけれど、なんの樹かよくわからず。アカギでしょうか。

少し角度を変えて上段部の概観。園路は全部を舗装せずに、飛び石になっています。
デザイン的にも面白く、これで十分なようにも思いますが、今日のバリアフリー基準には適合しないので、いつか改修されるかも知れません。

この園路沿いに、2連ブランコと揺れる動物遊具が設置されています。

遊具はどれも新しいので、ここ2～3年の間に新調されたものではないかと思います。

青い空に緑が映える阿波根公園でした。

（2022年4月訪問）