No.2955 北舞子中公園で書いたように、神戸市垂水区の北舞子地区は、大雑把に1960~70年代に開発された住宅地(オールド北舞子)と、1998年に開通した明石海峡大橋のトンネル工事で生じた土砂で埋め立てられた谷に作られた住宅地(ニュー北舞子)とに分かれます。
ニュー北舞子の中でも、確か「南欧風の街なみ」みたいな売り文句で開発された一角にあるのが北舞子中公園です。
「開発提供公園」などと呼びますが、住宅を開発する事業者が整備して、自治体に提供して公共施設とするタイプの公園だと思われます。
ですので、外壁の一部には街なみの雰囲気にあわせたデザインが取り入れられています。
市の標準的な園名標柱のほかに、横文字のプレートも付けられています。地図の中心に来ているのはフランス、ドイツあたりですので、売り文句は「南欧」ではなく「ヨーロッパ」だったかも知れません。
でもこうして見比べると「市が採用している標柱はやっぱ長持ちするなぁ」という事実にも気づきます。
300平米少々の園内には、ガゼボ(西洋風の四阿)、揺れる遊具、ベンチなどがあります。
敷地面積には多少の違いがありますが、施設内容としてはNo.2956 北舞子3丁目小公園 と似たりよったりです。
古い資料を見ると、敷石に囲まれた四角い土敷きの部分にはガゼボにも似た西洋建築風の柱に囲まれた池があったようなのですが、数年前に取り払われています。網蓋のかかった大きな排水桝は、その名残だと思われます。
おそらく開発者側の意向でつくられた池が市に引き渡されたものの、市では安全管理や修繕費等の負担に耐えられずに廃止したのではないかと想像します。
この前後に、南欧というよりは南国風デザインで植えられていたフェニックスなども伐られています。
ですので、現在の南欧風デザインの要は6本柱のガゼボ。もっとも、ヨーロッパの古典建築には柱と装飾に色々なルールと分類があるはずなので、これが本当に南欧なのかどうかはよく知りません。
これも市の標準品と比べれば凝っていますが、日常的に維持管理費が出ていくタイプのものでもないので、まだなんとかなっていると思われます。
頼りなげな話ではありますが、凝ったものほど管理しづらいことを思い知らされる北舞子中公園でした。
(2021年11月訪問)
ここは私は「ルネッサンス」と呼んでいます。昔は中央部に噴水みたいな水系の施設が有ったのですが
返信削除今では砂場になってしまっています。
匿名さま
削除こんにちは、ブログ作者です。コメントありがとうございます。
「ルネッサンス」、良いですね。愛称が付けられる公園というのは、だいたい皆に親しまれている良い公園だと思います。
そしてあれは噴水池でしたか。ただの池かと思っていました。噴水池だと、なおさら維持管理が大変なので敬遠されてしまったのだと思います。
訪れた日だけではわからない貴重な情報、ありがとうございました。