西宮の南部に津門稲荷町(つと・いなりちょう)という町があります。津門はやや広い範囲の地域名なので、津門地域の稲荷町ということになります。そこに津門稲荷北公園があります。
国道2号線に面したマンションの前にあり、このマンションの開発に伴って作られたと思われる狭小な公園です。
下写真で見えている範囲がすべてで、パーゴラとスツール、滑り台、あとは公園灯や手洗い水栓などの公園施設があるくらいです。
こうした立地の公園の場合、マンションと隣接はするものの裏手の方に回されていることも多いのですが、ここでは車通りの多い国道との緩衝帯としての意味あいも期待してのことでしょうか、エントランスと一体となって緑地を形作っています。
玄関前に緑が多いとマンションの雰囲気も良くなるので、こういう配置がもっと採用されると良いのですが。
パーゴラの下のスツールも、通りすがりの人が休憩するという使い方もあるでしょうが、どちらかと言えばマンション住人の方がちょっとした夕涼みくらいに使う方がよい感じです。
そういう場所の使い方をイメージすると、公園のすぐ隣で国道を向いている廣安地蔵尊との間をフェンスや灌木で区切ってしまわない方が良かったかな、という気もします。
公園の中からはお地蔵様の存在にはまったく気づかないですし、お参りをするにも背景が狭苦しく見えてしまうので、もう少し広がりがある方が良いように思います。
ところで、稲荷町というくらいなので町内のどこかに稲荷神社があるのだと思ったのですが、ちょっと歩き回ったくらいでは見つけることができませんでした。
そこで西宮市の資料を読むと、1923年(大正12年)の国道2号の開設工事の際に、ちょうどこの公園付近にあった津門稲荷山古墳という前方後円墳が取り崩されているので、丘の上に稲荷社があったのではないかなどと想像します。
ずいぶん昔に訪ねたNo.106 明星池公園の隣にある津門神社(下写真)の境内に祀られている武光稲荷神社がそれにあたるのではないか、とも考えてみますが本当のことは調査不足です。
また、津門神社現地の解説板には「神木のクスノキの根元に建つ津門神社碑は元大塚古墳の蓋石であります」と書かれているのですが、その石碑には建立年が昭和36年(1961)だと刻まれており、国道工事から40年ほどの間、この石がどこにあったのかはわかりません。
小さな公園で色々と考えた津門稲荷北公園でした。
(2021年11月訪問)
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