沖縄本島の地名で原(ハル)には2つの意味があり、1つはハル(墾)と同源で開墾された「田畑」を指す場合、もう1つは「あちら側」のように区域を指すもので東を東原(アガリバル)と呼ぶなどの例です(松永美吉『民俗地名語彙辞典』より)。
琉球大学の周りの住宅地にあるNo.2891 竹口原公園(タケグチバル)、No.2892 石橋原公園(イシバシバル)公園なども、そういう意味を持つ土地に付けられた字名から採られた公園名なのかと考えます。
しかし、「ちゅらばる」(チュラ=美ら=美しい)は明らかに造語でしょう。
でも、だからと言ってNo.2891や2892から仲間はずれになっていることはなく、緩斜面地を使い、敷地全体を草敷きの広場状に仕上げ、外周道路と公園との間に柵を置かない、という3つの設計思想は共通しています。
遊具は滑り台、ブランコ、シーソー、と列記すると一般的なものばかりのように思えますが、どれもイマドキの少し変わった形をしたものが採用されています。
一番特徴が強いのは、輪っかになったユニバーサルタイプのブランコ。ネット状の座部を使うと、まだ上手に座れない乳幼児や、細いチェーンを持つことが苦手な人でもブランコで遊びやすくなるというものです。
もちろん「これがあれば何でも解決!」とは行きませんが、今までのブランコでは遊べなかった人が、1人でも2人でも遊べるようになるだけで、世界はちょっとずつ良い方に変わっていくものだと思います。
滑り台は、大きくはないのですが途中で軽くウェーブがかかったもの。
シーソーはスプリング式で、カエルの顔が付いた可愛いものが採用されています。
その流れで見るとベンチも少し細身で、関西で言う「シュッとした」感じのデザインのものが採用されています。
周りの住宅地の風景にも美しく溶け込んで、いい感じの緑が育っているちゅらばる公園でした。
(2021年9月訪問)
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