2690/1000 湊川町9丁目市民公園(神戸市兵庫区)

2021/03/20

神戸市兵庫区 身近な公園 登録文化財 兵庫県

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湊川町9丁目市民公園は、神戸市の独自制度である「市民公園」として、遊休地などの暫定的な利用を前提として設置されている小公園です。

ただ、ほかの市民公園と比べるとかなり広く、ブランコや滑り台がある遊具コーナーに加えて、フェンスに囲まれたボール遊びのできる広場もあって、あまり暫定利用の感じはしません。

金属製の滑り台も2連ブランコも、別段、他の公園に比べて見劣りするわけではありません。

広場はざっくり500平米くらいはあって、近辺の公園よりも広いくらいです。
どうも、ほかの市民公園のように民有地を借りて公園にしているのではなく、神戸市以外の役所が持っている土地を借りているのではないかと思い当たりました。

それというのが、こちらの「湊川隧道」です。
こちらと言っても、実際の隧道は、ここから降りていかないと見られないのですが、公園の地下には煉瓦造の河川トンネルが隠れているのです。

■現地の解説板より「湊川隧道(会下山トンネル)から新湊川トンネルへ」
湊川隧道(会下山トンネル)は、旧湊川の付替えに伴い明治34年(西暦1901年)に建設された我が国で最初の近代的河川トンネルです。
付替えられた新湊川については、震災前より河道拡幅を伴う河川整備を行っていましたが、平成7年(1995年)1月17日に発生した兵庫県南部地震により、湊川隧道の下流側坑口の崩壊や内部の煉瓦積みに剥離や亀裂が発生しました。
このため、兵庫県では河川災害復旧助成事業により、湊川隧道に比べて約2倍以上の断面積を有する大断面の新湊川トンネルを建設しました。
新湊川トンネルの坑門デザインは、明治期における湊川隧道の意匠を高く評価し、これを継承しています。
一方、河川トンネルとしての機能を終えた湊川隧道の内部は築造当時のままに保存されています。
兵庫県

全体の位置関係がわかる写真が上手に撮れなかったので、河川を管理する兵庫県のHPに掲載の資料をお借りしますが、下の写真で大きく口を広げているのが新湊川トンネル。奥にチラッと見えているのが湊川隧道への通路の入口、その奥で少しこんもりとしているのが本題の市民公園です。
兵庫県HPより

下の図で、黄色っぽい直線の流路が古い湊川隧道、緑色で少し北に振って広がっているのが今の新湊川トンネルです。
湊川町9丁目市民公園は、上流側のトンネル入口の地上部にあたるので、おそらく新湊川トンネルの建設の際に工事基地として使われた兵庫県の土地なのではないかと考えたのです。
土地所有に関しては、まるっきりの想像ですが。
兵庫県HPより

古い隧道は国の登録有形文化財になっており、日本酒の熟成に使われたり、たまに見学会やコンサートが開かれたりもしています。

地下がそんな事になっているとは露知らぬ湊川町9丁目市民公園でした。

(2020年11月訪問)

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