2503/1000 学が丘北公園と小束山県有林(神戸市垂水区)

2020/08/13

神戸市垂水区 身近な公園 兵庫県

t f B! P L
神戸市垂水区の学が丘(まなびがおか)は、1970年代に市域西部の丘陵地を切り開いてつくられた大規模な住宅地です。
それ以前の地図を見るとマツなどの山林が広がっており、1954年(昭和29年)に、その山林の一角で全国植樹祭が開催されました。
天皇・皇后両陛下が参加した全国植樹祭の用地は、周囲が開発されても残さねばならないので、都市公園である学が丘北公園から一続きになるように保全されて、今にいたります。

地形的には、東から西方向へと下がってくる谷筋の上部が県有林、谷の出口付近が公園になっています。
学が丘地区では中心的な公園ということもあり、エントランスには少し凝ったサンクンガーデン(沈床庭園)も設置されていました。
今は芝生だけになっていますが、おそらく整備当初はバラ園や花壇など、もう少し華やかな植栽がされていたことでしょう。

なにやら、これから伸び行く新しい町を象徴するようなモニュメントも設置されていました。

公園そのものは周りの住宅地の子供たちをターゲットにした遊び場型の仕立てで、この複合遊具をメインに、滑り台、ブランコや鉄棒、砂場などのオーソドックスな遊具が設置されています。

ただ、敷地の中で遊具が散らばって設置されているせいか、どこか「余裕がある」ように見えます。

遊びやすさの面からは遊具を一所に集める手法もありますが、それを散らばらせることで、少し広めの公園の隅々にまで利用者が行き渡り、死角のようなスペースが減っているように感じます。

遊具のある一角から離れて谷を上っていくと、木立に囲まれたスペースがあり、最初のうちは広場の方が勝っているのですが、

だんだんと木陰が濃くなって林の領域に近づいてきます。

谷あいの湧水を使った湿生植物園を過ぎたあたりから、

このような山林の風景に変わります。
おそらくこの辺りから県有林に入っているのだろうと思いますが、公園と県有林の境界は現地ではまったくわかりません。

ちょうどこのあたりが全国植樹祭で天皇・皇后のお手植えがされた場所のようです。

ところで、ずっと全国植樹祭の話をしていますが、後の2005年(平成17年)に同じ場所で全国育樹祭も開催されています。
知らない人には同じもののように勘違いされてしまいますが、植樹祭と育樹祭は別々の行事、ただし対のものとして設定されており、終戦後の1950年から天皇が参加して各地で植樹を行なったのが植樹祭で、その際に植えた樹木を皇太子らが手入れしてまわるのが1977年から始まった育樹祭です。
「森林を育てるのには長い年月がかかり、世代をまたいだ努力が必要」という思想を皇族が行為として示しているわけで、なかなか日本的な行事だと言えましょう。

1954年(昭和29年)の植樹祭の頃には、あまり樹木の多くない痩せ地だったようですが、数十年の間にまぁまぁ立派な山林になっています。

外観はアカマツーコナラの明るい林で、私が訪れた時にはツツジの花があちこちに咲いていました。

こういう明るい林は、いつの時期に歩いても気持ちがいいですね。
放っておくとすぐに照葉樹が増えて暗くなってしまうのですが、ここは良い感じに保たれています。

そして谷を上がりきったところが、No.2501 垂水健康公園へとつながる出入口になっています。
モノは良いのですが、「県有林」という名前が味も素気もないので、愛称くらいは欲しい小束山県有林でした。

(2020年3月訪問)

ブログ内検索 Search

アーカイブ Archive

地図 Map

問い合わせ Contact

名前

メール *

メッセージ *

Facebook Page

QooQ