ただし、浦添市の都市公園一覧には出ておらず、また施設内容も都市公園っぽくないので、自治会所有地など、市の都市公園事業とは別枠で整備されたものではないかと考えます。
沖縄の言葉で「モウ(毛)」は野原や広場の意味であり、ただの野原ではなく、地域集団が何かしらの祭礼行事を行なっていた場所をそう呼ぶことが多いようです。
ここ西原一区アガリモウの手作り案内板には、次のように書かれていました。
■現地の解説板より「アガリモー」
大綱引の前に、1区の雄綱の準備作業をします。
綱引き当日には、ここからウマイーに出発します。
かなりサラッと書かれているので少し情報を足すと、西原地区の伝統行事である大綱引きは、一区(東:アガリ)と二区(西:イリ)とに分かれて行なわれるものです。
そして、沖縄の綱引きは1本の綱ではなく、2本の大綱それぞれの端に作った輪っかに木でできた太い心棒を入れて繋ぎ合わせて引き合うものなので(※No.1082 新川公園参照)、アガリが雄綱、イリが雌綱を担当しているようです。
出かけていく先のウマイーは「馬追」のことなので、かつて馬場があった付近が綱引き会場になっているのでしょう。
さて、そんな西原一区アガリモウですが、綱引きは年に1回のことですので、普段は遊具の置かれた遊び場として使われています。
遊具は滑り台、2連ブランコ、鉄棒など。
どれも古いもので、それほど手入れも行き届いていない様子なので、ここからも市立の都市公園ではない雰囲気がうかがえます。
しかし、この公園では、決められたとおりに遊ぶのではなく「くふうして たのしいあそびを かんがえてみよう」と呼びかけられているので、遊具だけにこだわっていてはいけません。
この元・シーソーなども、ギッコンバッタンと揺れて遊ぶものではなくなり、角材を斜めに上り下りして遊ぶものに大改造されていました。
そのほかにも、園内には至るところに大人から子供たちへ(あるいは大人たちへ)の呼びかけが掲げられていました。
地域の子供たちへ大切なことを伝える場となる、西原一区アガリモウでした。
(2019年12月訪問)
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