京急・新馬場駅から徒歩5分ほどのところにある子供の森公園。
全国には「平成記念子供のもり公園」事業として国の補助を受けて整備された公園がいくつかあるのですが、それとは関係なく、むしろ昭和の記憶を呼び起こすような特徴ある公園です。
その特徴がこちら。園内に所狭しと並ぶコンクリート製の恐竜たちです。
手元の資料によれば、開園は1970年(昭和45年)。1968年(昭和43年)に福島県いわき市で、当時高校生だった鈴木直さんの手により首長竜・フタバスズキリュウの化石が発見され、日本中に恐竜ブームが沸き起こっていた時期にあたります。
それから50年近くがたち、恐竜研究も進化して想定復元図も変わってきたため、園内の恐竜は、どちらかと言えば「なつかしい」デザインに見えます。
まずはアロサウルス(たぶん)。ティラノサウルスだと言われれば、そのようにも見えます。
どちらも、かつてはこのように尻尾を地面に付けてノッシノッシと歩くゴジラのような姿だと考えられていましたが、近年はもっと前傾姿勢で、頭と尻尾を地面と水平に近い形に伸ばして走り回る姿だったとされています。
カモのような口が特徴のハドロサウルス科の恐竜。
かつて日本領だった時代の樺太(サハリン)で発見されたニッポノサウルスかもしれません。
50年ほど前は、まだ国内では恐竜時代の大型生物化石の発見例が少なかったため、子供向けの本では「日本(ゆかり)の恐竜」として、ニッポノサウルスとフタバスズキリュウがよく紹介されていたように記憶しています。
竜脚類の仲間。むかしはカミナリ竜とも呼ばれていました。
50年前の認識で言えば、ブロントサウルスかティタノサウルスでしょう。
長い尻尾は園路の下に隠れています。
もう一頭、別の竜脚類もいます。
上のものと比べると頭の形が扁平で口先が尖っているため、海に暮らしていた首長竜のような印象を受けます。
背中に剣が生えているステゴサウルス。剣竜ってやつですね。
背中に帆が生えているのはディメトロドンの仲間。でも帆竜とは呼びません。
ちなみにステゴザウルスとディメトロドンは2頭ずついます。先に登場した恐竜よりも小型なので、数を揃えやすかったのかも。
そして一頭だけ、他の恐竜とはデザインの特徴が異なる丸っこいカミナリ竜もいます。
たぶん後から仲間入りしたのでしょう。
これは恐竜ではなく、竜の頭を付けたヴァイキング船の遊具。恐竜と関連あるのかないのか微妙なところです。
と、まぁ恐竜ばかりが目立つ公園ですが、じつは敷地の半分くらいは野球場になっています。
でも野球場のベンチ?の壁には恐竜の大きさ比べの図が。
その他の遊具としては、擬木のボディが仰々しい滑り台、ターザンロープなどがあります。
滑り台のデッキと階段部分がツリーハウス風の仕立てになっているのですが、過剰に突き出た枝が良いですね。
単なる滑り台ではなく、木登りもできる複合遊具と化しています。
ターザンロープも同じようなデザイン。これも支柱部分に登れますね。
ほかに木登り専用の擬木もあるので、初心者はここから始めると良いでしょう。
ブランコは、他の公園にあれば目立つツリー型(サボテン型)なのですが、このメンバーに囲まれると普通に見えてきます。
管理事務所とトイレが一緒になった建物は西洋のお城風。
夏場になるとシャワーが吹き出す水遊び場は、お菓子の国風です。
構造そのものは無骨な鉄パイプなのですが、キャンディポップな色合いで楽しげに演出されています。
園内を見渡してみると、時計塔と水飲み場を兼ねた物件が、水遊び場の原型になっているようにも思います。すっかり色あせていますが、同じようなカラーリングですよね。
そのほかに気になる物件としては、銀色に輝く公園門からまっすぐ入ったところにあるブロンズ像。立地からして、この公園のシンボルとなる物件であることがうかがえます。
それがこちら。
勝手に作品名を付けるとすれば「考える男と発言する女」の像。
あるいは「ふさぎ込む男とタクシーを拾って去りゆく女」の像。
盛りだくさんで、お腹いっぱいになった子供の森公園でした。
(2018年8月訪問)
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