1563/1000 太子橋中公園(大阪市旭区)

2017/08/23

巨樹巨木 身近な公園 大阪市旭区 大阪府

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大阪市の北東端、淀川沿いにある太子橋は、聖徳太子にちなむ地名伝承の残る町です。
寺院を建てる場所を探していた聖徳太子がこの地を訪れ、大庄屋の田嶋家で休息された際にお礼として残した自画像が昭和の初め頃まで残っており、田嶋家では代々「太子祭」を開いていたとか。
また、1971年(昭和46年)の住居表示実施までは橋寺町となっており、これは奈良時代に行基が開いたという橋本寺(橋寺廃寺)に因むものだそうです。と言うことは、元々は行基に因む地名だったものが聖徳太子に取って代わられたということで、さすがは聖徳太子と言うべきでしょうか。

さて、そんな太子橋地区の中央部、淀川の堤防から見下ろせる位置に、太子橋中公園があります。
ここは大正時代から市内の公共事業で使う樹木の苗圃だったところで、御堂筋のイチョウもここで育てられたものだそうです。

旭区の作成した冊子によれば、1963年(昭和38年)に公園として整備されるまでは苗圃で、埼玉県の苗圃で買い付けられられたイチョウの苗木は、ここで一旦育成された後に、御堂筋に移植されたものの、10数本が公園内に残されたということです。

おそらく、公園の中央を貫くイチョウ並木が、それに当たるのではないかと思います。

ただ、園内を歩いてみると、並木以外にもイチョウがまとまって生えているところがあるので、消極的な意味で残されたというよりは、御堂筋の整備が一段落した後も、枯れることに備えて苗木の育成を続けていたのではないかと考えられます。

イチョウと並んで名物になっているのがサクラで、季節になると園内の至る所がピンク色に染まります。

中でも、園内の北端、淀川に近いところにあるサクラは、大阪市内でも屈指の巨木とされています。と言っても、ほかには市内のどこに巨木があるのかは知りませんが。

周囲が柵に囲まれて近づけないためザックリとした見立てですが、直径は1メートル以上、樹冠にすれば15メートルくらいあり、咲き誇る様は見事なものです。
本ブログはたまたま訪ねた公園を記録していくという趣旨なので、花の時期にサクラの名所を訪れることはまずないのですが、ここはいい時期にめぐりあいました。

さて、園内はいくつかの広場、芝生敷きの園地、2ヵ所の遊具広場などに分かれており、一周するだけでもちょっとした運動になります。

また、苗圃の名残なのか、あるいは広めの園内に合わせて育成されたのか、大きく育った樹木が多く、夏でも木陰が多そうな雰囲気です。

1つめの遊具広場は、どちらかと言えば小学生以上向きで、ロープピラミッド、複合滑り台、ブランコなどがあります。
ただ、ここに関しては子供たちが走り回ることも考慮してのことでしょうか、樹木が少なく、やや殺風景なようにも見えます。

一方、もう1つの遊具広場は、幼児向けの遊具が集められており、ここはサクラに囲まれて華やかな雰囲気になっていました。

もっとも、サクラは適当に湿り気の多い土壌を好むため、よく咲いているということは年間通して程よく湿っているということなので、遊び場としては良し悪しです。

おそらく園内でも一番の花見の名所が、東南の一角にある築山で、休日ともなれば近所の方々が出かけてくることでしょう。

花曇りのさえない天気でしたが、思いがけず眼福にあずかった太子橋中公園でした。

(2017年4月訪問)

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