色々あった2016年も明日で終わり。
去りゆく申年にちなみ、今年最後の記事は葛飾区のモンチッチ公園です。
こちらの公園は正式名称は「西新小岩5丁目公園」というのですが、モンチッチの製造元である(株)セキグチの工場跡地を公園としており、愛称だけでなく、園内にモンチッチにちなむものが色々と採用されています。
まずは男の子のモンチッチくん。
こういう感じの「ウインクした顔」って、よく小学生の女の子が真似して描いていましたね。
赤いリボンが可愛い女の子のモンチッチちゃん。
最近は2ヵ所留めでツインテールにしていることもあるそうです。
ふたりが並んでいるところもあるのですが、地上絵が大きくなる分、写真に撮るのは難しい!脚立を持っていかねば。
園名板もモンチッチ。でも堅苦しい正式名称のことも忘れてはいません。
トイレもモンチッチが使用中です。
「どうしてそんなにモンチッチなの?」という疑問には、こちらの記念碑が答えてくれます。この石造建物のようなデザインも、この地にあったセキグチ社の関係施設を記念してのもののようです。
●現地の解説板より「モンチッチ公園」
モンチッチ公園は、かつてこの地にあった関口家旧住宅、株式会社セキグチの旧工場跡地を区が用地取得して整備した公園です。
モンチッチは、株式会社セキグチから1974年に誕生しました。
フランス語の"モン"("わたしの"という意味)と"プチ"("小さくてかわいいもの"という意味)で"わたしのかわいいおともだち"というところから名づけられました。誕生以来現在も、日本をはじめ、ヨーロッパやアメリカ、アジアなど世界の国々で愛され親しまれている人気者です。
"モンチッチ公園"という名称は、地元自治会である西新小岩五丁目町会からの要望を受け、モンチッチと同じように地域に根付いた親しみ愛される公園となるように愛称がつけられました。
園内には、モンチッチと一緒に遊ぶことをテーマに、複合遊具の下や園名板などにモンチッチが描かれています。
平成28年4月開園
当地には、葛飾区登録有形民俗文化財のセキグチ・ドールハウスがありました。葛飾区では大正期から昭和20年代にかけてセルロイド工業が繁栄しました。セキグチ・ドールハウスは、セルロイド製の人形・玩具などに使用した材料倉庫を改装し、セルロイド製の人形や玩具を展示していました。セルロイドは燃えやすいため、倉庫は堅牢な石造りでした。
セキグチ・ドールハウスは、公園の新設にあたり、平成27年に撤去されました。このモニュメントは、セキグチ・ドールハウスの石材を使用して建てられています。
No.655 渋江公園でも話題に触れましたが、葛飾区はセルロイド工業発祥の地であり、今も関連する企業が多いようです。公園の周囲も町工場や古い住宅が集まっている地区のため、この公園の新設にあたっても防災を意識した施設が多く取り入れられています。
例えば、災害時には座板を外すとカマドになるベンチや、
炊事場になるパーゴラ、
マンホールを開けて、上に便器やテントを据え付ければトイレになるマンホールトイレなどがそれにあたります。
しかし、このように「密集市街地の改良+防災施設の入った公園+著名キャラクター」という組み合わせは、同じ葛飾区でキャプテン翼の銅像を設置していたNo.654 四つ木つばさ公園を思い出します。
背の高い防球フェンスに囲まれた姿が似ているだけに、より一層、その感が強まるとも言えます。
モンチッチ公園の外観 |
No.654 四つ木つばさ公園の外観 |
ただ、No.654のキャプテン翼像が、いかにも後から取ってつけたようなものだったのに対して、こちらのモンチッチは公園内のデザイン全体に深く入り込んでいますので、計画段階から「モンチッチで行こう!」と決められていた様子がうかがえます。
複合遊具の周りにもモンチッチがいるそうなのですが、訪れた日はたくさんの子供が遊んでいたため写真は遠慮しておきました。
はっきりと子供向けなのは上記の複合遊具くらいで、その他は大人向けの健康器具、子供向けでもすこし体力づくりの色が強いものになっています。
せっかくモンチッチで子供たちを惹きつけるので、もう少し幼児・児童向けのものが欲しかったようにも思いますが、昨今の都市の事情を考えると、これもやむなしと言ったところです。
おまけ.
注意看板もモンチッチ。でも、なんだか悪ぶっている表情が愛らしくて笑えます。
あんなに可愛らしくウインクをしていたモンチッチくんが、すっかり悪ガキに成長してしまったのはショックですね。
ハーフメットにゴーグル付けて、いっぱしのヤンキー気取りです。黄色いマフラーがオシャレですが、赤いスタイが子供の頃のままなので逆に泣かされます。
コンビニで買ったものを食べ散らかすだけではなく、わざわざ家庭ゴミを持ち込んでくるというワルっぷりは、すでにヤンキーの枠を超えています。
よく見たらスタイに「ワルチッチ」と書いてある別人ではないかと思いたかったのですが、やはりモンチッチくんなのですね。
これなんか、もう少年野球の監督かと思わせるでっぷり感がありますね。
1972年生まれだそうなので、今年2016年で44歳。おっさん臭くなっても仕方がないか...
(2016年10月訪問)
【2023年12月追記】
その後に区域拡張&追加整備が行われて、さらにモンチッチ濃度が高いテーマパーク、あるいは博物館のような公園に進化しました。
まず西側の中川堤防に近いところが拡張され、モンチッチゾーンが新設されました。公園中がモンチッチなのに、あえてモンチッチゾーンと言うだけあって、ここが尋常ではない濃度です。
エントランスでも大きなモンチッチが出迎えてくれたのに、入ってすぐにベビチッチたちも加えてみんなでお出迎え。園名板の前がベンチになっているので、記念写真にピッタリです。
その裏面もトリックアートになっていて、モンチッチと一緒に森のブランコに乗った写真が撮影できます。
そこから左を見ると、モンチッチが座っているベンチ。撮影スポットが多すぎて、渋滞しています。
さらにその横には、羽が生えた天使のモンチッチ。パワースポット的な展開も期待できるので、とりあえず頭をなでておきました。
さまざまなスポーツに挑むモンチッチたち。なぜかピッチャーがウサギ、バッターはライオンになっていて、なんだかピッチャーが打たれまくりそうで心配です。
モンチッチの水遊び場もあります。訪れたのが真冬だったので作動していませんでしたが、足元のスイッチを踏むと、上からシャワーのように水が落ちてくるタイプです。
これがまた、適当に落としているわけではなくて、消防士、水瓶座、花に水やりしているなど、必然性のある衣装に扮したモンチッチが水を撒いてきます。
そうした多様な展開が可能になるのも、これまでに多種多様な衣装のモンチッチが開発されてきたからで、そのあたりの秘密は、一番奥のモンチッチミニミュージアムで学ぶことができます。
なにしろ、とても1枚のパネルには収まりきらないくらいのモンチッチがいるのです。
せっかくなので現地でご覧いただければと思うのですが、世界の民族衣装シリーズ、職業ユニフォームシリーズ、スポーツシリーズ、ご当地シリーズなどわかりやすいものから、寅チッチ(男はつらいよ)、モンチッチマスク・オブ・ゾロなどタイアップ色が強いもの、ビジュアル系、渋谷系、ヒップホップ系など、時代を映すファッショナブルなものまで、多種多様なモンチッチが紹介されています。
ここで学んだのですが、1974年生まれのモンチッチくんとモンチッチちゃんは、30歳になった2004年に結婚したそうです。
ミュージアムの中心に置かれた「ひみつのたからばこ」も、ぜひ現地でひみつのボタンを押してみてください。
そのほか、セルロイド産業で栄えた地域の歴史について学ぶパネル、モンチッチ以外のキャラクターのブロンズ像もたくさん置かれていて、セキグチ社の歴史を学ぶ企業ミュージアムのような色合いさえあります。
そしてもう一区画、もともとあった遊具広場の横に、幼児向けのちびっこひろばも拡張整備されました。本記事で「もう少し幼児・児童向けのものが欲しかった」と書いたのですが、同じように思う人が多かったのでしょうか。
フェンスに囲まれて、全体がラバー敷になった中に「はらぺこあおむし」風の滑り台と、モンチッチの揺れる動物遊具などが設置されています。
ここの門は、十二支に扮したベビチッチが集まっています。サルは気ぐるみを被る必要ないと思うのですが、それはさておき。
次に行く時は、誰かと一緒に来て記念写真を撮りたいモンチッチ公園でした。
0 件のコメント:
コメントを投稿