基本的には市営住宅などご近所の皆さんの利用を考えた遊び場中心の公園なのですが、一部に室川貝塚に関する展示・解説も行われており、その内容はNo.1275よりも充実しているほどです。
まず遊び場部分。アーチの付いた門をくぐった先に、複合遊具が見えています。
滑り台や網のぼりなど遊具の構成は標準的なところですが、屋根部分が沖縄舞踊で使う花笠を形どったものになっています。
ちなみにトイレの屋根も花笠になっています。
複合遊具の周りには、砂場、シーソーなどもあります。
そして多目的に使える広場。日々の遊び、市営住宅や地区の行事などにも使いやすいのではないかと思われます。
そして上写真でグラウンドの奥の東屋の更に奥、崖地になっている部分に、室川貝塚関連の展示が行われています。
崖の角にはこのような流れが作られています。崖の少し上の方にはムルガー、ムルカーガー(室川井泉)という湧水があるようなので、もしかするとそこから流れ出てくる水なのかも知れません。
その流れの両側の壁を使って、レリーフによる展示が行われています。写真右方向の壁が土器・石器など、左方向が古代人が食べていたものになります。
■室川貝塚(むろかわかいづか)
室川下層式土器(むろかわかそうしきどき 約5000年前の土器)
面縄前庭式土器(おもなわぜんていしきどき)
荻堂式土器(おぎどうしきどき)
大山式土器(おおやましきどき)
伊波式土器(いはしきどき)
石斧(いしおの)
■大昔の人々が食べていたもの
魚類 ニセスジハタ、ハマフエフキ、イソマグロ、ハタ
貝類 チョウセンサザエ、イトマキボラ、クモガイ
動物 リュウキュウイノシシ、ハブなどのヘビ類
その他 ウミガメ、ジュゴン
そこまでは書かれていませんでしたが、「大昔の人々が食べていたもの」は、実際に貝塚から骨などが出土したものではないかと考えられます。
せっかくの立体レリーフなので、もう少し位置を低くして、子供が触りやすい場所にあればなお良かったように思います。
そして、流れに沿って沖縄の「歴史的っぽいもの」を形どったベンチが並んでいます。
かつては漁業に、今は競漕に使われるハーリー船、
泡盛を入れる抱瓶(だちびん)、
島豆腐をつくるときに使う石臼、
凝灰岩をくりぬいて作るトゥージ(水瓶)などがあります。
この場所と直接的に関係があるわけでは無いように思いますが、花笠も含めて、なんとなく歴史的な物件を取り入れている室川公園でした。
ちなみに、この公園と隣接する市営住宅もなんだか凄いことになっていて有名なので、詳しくはこちらでご覧ください。
(株)アビエルタ建築・都市 作品集より引用して表示
http://www.ac.auone-net.jp/~habierta/info05.html
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(2016年2月訪問)
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