昭和の初め頃、現在の相模原市南区と大和市にまたがる一帯の雑木林を、緑に包まれた住宅が広がる「林間都市」として開発する計画がありました。現在の小田急が取り組んだ大事業でしたが、太平洋戦争などもあって事業は一部の開発のみで頓挫してしまいました。
その後、高度成長期以降に新たな開発も行われたため林間都市の面影は減ってしまったようですが、それでも所々に雑木林のある住宅地が形作られています。
そんな相模原市南区には、その名も林間公園があります。
園内はほぼこんな感じで、クヌギなどが立ち並ぶかつての付近の林の様子を髣髴とさせる樹林広場が広がっています。
訪れた時は、たまたまターゲット・バードゴルフの集まりの準備中で、落葉がきれいに掃き集められていましたが、おそらく普段はもっと落葉が積もって、林らしい景色になっていることと思われます。
ちなみにターゲット・バードゴルフは、バドミントンの羽のような樹脂製のボールをグルフクラブで打って、逆さ傘のような網までの打数を競う競技です。
敷地の西端の方は、以前は同じように林が続いていたようなのですが、一部伐採されて福祉施設が建てられています。その隣が少し開けていて、大型の複合遊具が置かれていました。
大型遊具のニーズは理解しますが、公園全体の雰囲気からすると、やや浮いた感じもします。
それよりは敷地東端こちらのように、林間に少しずつ遊具を置くほうが、しっくりきます。
わざわざ大人向けの健康器具を設置しなくても、林の中でいくらでも運動ができそうなものなのですが、現代ではなかなかそうもいかないようです。
そして大きく育ったケヤキなどの高木の木陰を気持よく歩ける園路がありますが、なぜか園内をぐるっと回るのではなく、通り抜けるだけの構造になっています。
不思議に思いながらこの園路を通って公園北側に出てから振り返ると、そこには「相模緑道緑地」という名板が付けられていました。どうやら園路部分は、灌漑用水の上部を遊歩道として整備した緑道の一部に組み込まれているようです。
市街地にはあまり多くないタイプの、かつての広葉樹の林の雰囲気をよく残している公園ですし、周囲にはこれだけの規模の林はもう残っていませんので、これからも本来の公園の特徴を活かした整備・管理をお願いしたい林間公園でした。
(2015年11月訪問)
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