今は海から3キロくらい内陸にあたりますが、奈良時代に付近が東大寺の荘園だった頃は海岸沿いの湿地を徐々に干拓しながら耕地が拡大されていったようです。apediaによれば「潮江」の史料初出は1250年のことだとか。
そして、1996年(平成8年)に尼崎駅の北側にあったキリンビールの工場が閉鎖され、その跡地を中心とした約23ヘクタールが「あまがさき緑遊新都心」という名称で再開発されました。
その一角に、2010年(平成22年)にできたのが潮江緑遊公園です。すなわち少なくとも800年近い歴史を持つ「潮江」と、平成に生まれた「緑遊」の合成名を冠した公園です。
ちなみに、愛称は「みどり公園」というそうです。
漢字が多い割には意味不明な正式名称を敬遠してのことでしょうか。でも、この公園のイベント案内などで、場所を「みどり公園」と呼んでいるのは見たことがありません。
周囲は15階建~20階建くらいの巨大マンションが立ち並んでおり、公園はマンション街区の西の外れに当たります。
2枚目の写真でも見て取れるように、敷地の中央に大きく広場を取り、外周部に人工の流れを通してて、流れのない部分の外周に幼児用と児童用の2ヵ所に分けて遊具広場を設けています。
広場はまっ平らではなく、中央部が周囲よりも1メートル以上盛り上がっており、普通に遊ぶ分には問題ないのですが、一面を占拠してサッカーなどに使うことはできない形状になっています。
流れは、出だしは人工的・直線的な仕立てで始まり、最後は自然風の池になって終わります。
池の部分は流れが淀むため、落葉や藻が溜まっていて、色んな意味で自然風です。
幼児向けの遊具広場は、「たまご広場」の南にあります。
園内では「たまご広場」がどこなのかはさっぱりわからないのですが、航空写真で見るとわかります(よね?)。こういった遊びは、周囲に高いビルが多い公園ならではのように思います。
画像©2016 Google、地図データ©2016 Google,ZENRIN |
幼児向けの遊具は、滑り台、ブランコ、小さなジャングルジム、ネット遊具、揺れる乗り物などがあります。
幼児向けだけでこの数は、かなり充実している方ではないかと思います。
一方の児童向けの遊具は、登攀板や雲梯などバランス感覚を要求される遊具を組み合わせたもの。一つ一つのパーツは他所の公園にもありますが、これだけ組み合わせたものはあまり見かけません。
あと、普通の雲梯やぶら下がり棒、腹筋ベンチなどの大人向け健康器具も何点か置かれています。
一般的な製品よりも、縦パイプが強く逞しい印象を与えてくるシリーズですので、公園筋トレに向いているかも知れません。
その他、防災用のトイレ穴や、ユニバーサルタイプの花壇(?)など、今時の新しくて広めの公園によくある施設も導入されていました。
欲を言えば駅前再開発街区の端っこではなく、もう少し駅に近いところにあれば、また違った魅力や活用策があったであろうと思うのですが、地域の方のための公園と思えば、これも一つの有り様かなと思える潮江緑遊公園でした。
●尼崎市による公園紹介ページ
(2015年10月訪問)
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