南岩本公園は、No.753 北岩本公園と同じ区画整理事業の中で整備された公園です。したがって、ここも1939年(昭和14年)生まれの75歳。
しかし今また、周辺では住宅市街地総合整備事業が進められており、公園のあるブロックはすっかり更地になっています。
それを離れたところから眺めて「あの常緑樹がよく茂っているところが公園だな」と思って近づいていくと、それは公園に隣接する別の敷地でした。でもこれだけ大きな樹があるので、もとは団地か幼稚園などの公共施設があったのではないかと思います。
北側にある出入口から公園に入ると右側にフェンスに囲まれたテラス状の何か、左手には遊具広場があります。
遊具広場部分は一面が草敷になっており、その中にコンクリート製の滑り台が2基、雲梯、タイヤ遊具、砂場と山遊具などが設置されています。
滑り台は、上部にある滑り出しのデッキ部が少し長いタイプ。
滞留する空間が多少広くなるため、滑り部が2連になった滑り台ほどではありませんが、多人数に対応できる構造なのかも知れません。
砂場の中にある山遊具も個性的で、掴んだり踏んづけてりして登るための部分(ボルダリングで言えばホールド)が人面になっています。すなわち人面石の山。
それぞれ笑い、泣き、怒りなど色々な表情に見えるのは、京都ならではの仏像の心が込められているかのようです
そして、入り口を入った時から気になっていた謎のテラス。公園の半分ほどを占めているのですが、周りから見ていても何に使うものなのかよくわかりません。
階段を上ってみても、コンクリートで枠取りされた芝生広場の中に、ジャングルジムと植栽がちらほら。何故これだけをテラス上に設置しなければならなかったのか。今は立入禁止になっているせいもあり、まったく訳がわかりません。
が、よく目を凝らしてみてみると、わかりました!
もとはプールだったのです。それも北岩本公園の幼児用プールではなく、6コースもあるれっきとしたプール。使用しなくなった後にプール槽部分に土を入れて園地にしていたものが、おそらく色々な老朽化などの理由で閉鎖になったのでしょう。
閉鎖した噴水を花壇に変えた例は見たことがありますが、これは初めてのパターンでした。
最後に、気になる注意書き。
児童公園のおもな設置目的が子供の遊び場だということは理解しますが、「大人の使用を禁止」している公園は初めて見ました。
公園は「自由利用」と言って、「誰でも、いつでも、自由に使える(ただし、他人の自由な利用を妨げない範囲で)」ことが原則とされており、それを制限する文言が掲げられているというのは珍しいことです。
まぁでも、そこまで深読みしないでも、きっと公園内でバイクの改造作業をしたりする無茶な利用が横行した時期があったのでしょうね。
最初に述べたように、周囲で住宅市街地総合整備事業が進められており、すでに公園を含むブロックの広い範囲が事業用と思われる更地になっています。また公園の半分ほどを占めるプール跡が利用できない無駄な空間になっているため、外からも内からも再整備の必要性が迫ってきていると思われます(京都市の予算上の問題などは置いといて)。
しかし、顔のついた山遊具だけは、なんとか残せないものですかねぇ。
(2014年6月訪問)
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