746/1000 すがはらすいせん公園(神戸市長田区)

2014/08/01

阪神・淡路大震災モニュメント 自然災害伝承碑 神戸市長田区 身近な公園 兵庫県

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神戸市長田区の御蔵通、菅原通は、阪神・淡路大震災で極めて大きな被害を受けた地区の一つです。アーケードの骨組みだけを残して燃え尽きた菅原市場の惨状は、繰り返し報道されたのでご記憶の方もいらっしゃるかも知れません。

その後、震災復興区画整理が実施され、かつて菅原市場があったあたりに整備されたのが「すがはらすいせん公園」です。同じ地区内には、この公園と対になる「みくらすいせん公園」が整備されており、2つで1つの機能分担が意識されています(No.744 御蔵北公園No.745 御蔵南公園と同じ発想です)。

こちらの「すがはらすいせん公園」は、やや起伏を持たせた地形の中に小ぶりの複合遊具と健康器具が置かれており、幼児と高齢者をおもなターゲットとした施設構成になっています。

かつての市場の流れを汲むのであろう何軒かの商店が公園に向けて間口を連ねており、また外周部の広い範囲が可動式の柵になっていることから、地域活性化のためのイベント利用なども意識されていると思われます。

園内にはかつての菅原市場や震災時の状況を写した写真プレートが何枚か設置されており、記憶を紡ぐ場としての役割も担っています。

ただ残念なのは、せっかくの写真プレートが、コーティングの下に水が入りこみ、汚れが溜まったような状態でかなり見づらくなっていること(掲載した写真は、まだ見られるものを選んでいます)。

開園が2003年(平成15年)なので、いくら屋外の展示物とはいえ、設置から10年少々で内容が読めないほど傷んでしまっては困ると思います。震災復興でお金がない時期だったことは理解しますが、設置目的を考えれば、もう少し長持ちする素材・手法を選んで欲しかったという気がします。

ちなみに公園名にもなっている水仙は、震災後に天皇・皇后両陛下が地区のお見舞いに来られた時、皇后陛下が瓦礫の上に供えたことから、地区復興のシンボルとして取り上げられたものです。
ということで、公園横を通るコミュニティ道路の街灯なども水仙の柄になっています。

また公園を向いている店々とは別に、大通りに面してかつての市場に店を出していた皆さんが始めた共同店舗があります。

この店の入口には、同じく被災者を励ますためにロケにやって来た映画「男はつらいよ」の撮影風景を記したプレートが掲げられています。
こちらは雨がかからない場所だからか、そもそも仕上げが違うのか、写真も文字もしっかり読むことができました。それだけに、公園の写真プレートが残念。

●阪神・淡路大震災モニュメントについてはこちらも

(2014年6月訪問)

【2020年12月追記】
記事を書いた時には公園の隣りにあった共同店舗ですが、2017年(平成29年)に商店主らの高齢化などの理由で閉鎖されてしまいました。

このため、寅さんのプレートが翌年に公園内に移設されたので、その様子を追記します。

場所は公園の西端。もとの共同店舗に近い側に、コンクリートの台座付きで設置されています。
周りに物が少ないところに独立したせいか、以前よりも大きく見える気がします。

水仙のモニュメントの写真も追加しておきます。

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