昨日に続いて、長田区役所の南側付近、御蔵通5・6丁目地区の公園です。
このあたりは、阪神・淡路大震災以前には家内制の小さな工場が多く住・商・工が混じる密集市街地だったのですが、地震による火災の被害が極めて大きく、町全体の7割以上が全焼、残る建物も全半壊という壊滅的な状況となりました。
その後、復興区画整理によって御蔵南、御蔵北の2つの公園ができましたが、今日はそのうちの御蔵南公園です。ここには震災前から小さな児童公園があり、それを拡張する形で新しい公園として生まれ変わったものです。
北公園が幼児やお年寄り向けの公園であったのに対して、南公園は敷地の大半がフェンスで囲まれた多目的広場になっており、小学生が元気いっぱいに走り回ったりボール遊びをしたりする場となっています。
私が訪れた時も、広場に子供たち、周りの道路にも子供たちと、なかなか賑わっていました。
敷地の8割がたはフェンスの中なのですが、残りの部分は区画道路に面したポケットパーク風に仕上げられ、幼児向けの遊具なども置かれています(あれ、役割分担は?)。
その一角にあるのが、震災に伴う大火災にも耐えて残ったというクスノキ。
並んで立つ2本の樹は、樹皮は黒く焼け焦げたままですが、枝葉は茂り、見る人に力を与えてくれます。
●現地の解説板より「御蔵公園の楠」
見よ、この楠を。震災で幹を枝葉を焼かれたが、大地がしっかりとこの楠を支えた。この楠もまたこれにこたえた。自ら苦しみながら、悩みながらも大空高く伸びる大樹を志している。
自然の美しさ、豊かさ、厳しさ、神秘がここにある。
”類焼とめて 尚生き残る 楠の大木”(御菅カルタより)
それと同じくらい大切にされているのが、こちらのヤマモモ。
こちらは特にいわれはないと思うのですが、やけにお洒落な柵に囲まれています(笑)
最近、市街地の小さな公園については、同じような整備内容ばかりでは利用者に喜ばれないので、それぞれに個性を出して「公園群」として機能を発揮させようという考え方が出てきていますが、この地区の場合は震災復興という機会にそれを実現させており、子供たちも状況に応じて使い分けているので、参考になるところがありました。
●神戸新聞記事 碑は語る震災10年(28)クスノキ 御蔵南公園
●阪神・淡路大震災モニュメントについてはこちらも
(2014年6月訪問)
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