広域交通の軸、産業道路としての性格が強く、当初は片側5車線もあってさらに上空に高架で阪神高速道路も整備されたために、沿線では大気汚染や騒音が問題となり「西淀川公害訴訟」の舞台ともなりました。
その後、環境改善や防災目的で外側の2車線ずつが減らされて緑地帯や歩道として再整備されましたが、さらに阪神・淡路大震災後は、兵庫県下の西宮市、芦屋市などの区間で歩道から一皮の民有地を買収して防災目的の「環境防災緑地」を整備する取り組みが進められています。
国土交通省 近畿地方整備局 兵庫国道事務所のサイトより引用して表示 |
もっとも兵庫県内の区間だけで20kmもありますので、全体からすれば買収された土地は未だわずかなもので、将来的に繋がった時にどうなるのかはまだ分かりませんが、今のところ環境防災緑地の整備はフェンスで囲って人が入れない中に植栽をするだけの「基本型」と、地元要望に基づいて広場等にする「利用型」とがあります。
下の写真は、左から国道43号と中央分離帯に橋脚を建てた阪神高速、減車線によって生まれた緑地帯と防音壁、歩道、環境防災緑地をなんとか1枚に収めたものです。それぞれの位置関係がわかるでしょうか。
ということで、西宮神社の前にある利用型の2例。
土地は国のものですが、西宮市が国と管理協定を結んで無償で借り受け、児童遊園として開放しています。
もっとも児童遊園と名乗ってはいますが、とくに児童向けの遊具などはありません。おそらく西宮市の制度として、都市公園以外の小広場に当てはめることのできる区分が児童遊園しか無かったのではないか思います。
まずは宮前児童遊園。
歩道との間に段差や柵などはなく、舗装も似たようなデザインのものとして、一体感を出しています。
広場の中央にシンボルとなるサクラを植えて、その周りに花壇。
外周部は芝生と灌木植栽などがあります。
広場にはパーゴラと、物置兼用のベンチ。清掃用具などが収納されているものと思われます。
また国道の方に開けているだけではなく、後の住宅地側からも出入りできるようになっており、日常の通行や災害時の避難にも配慮されています。
こちらは、50メートルほど離れたところにある荒戎児童遊園。
宮前児童遊園とは違って、国道側にしか開口していません。
広場を奥に、パーゴラとベンチは歩道のすぐ近くに設置されており、バス停の待合としても使えるようになっています。訪問時、バス停は休止中でしたが。
広場は直径15メートルほどの円形の園路があり、たまに少年野球の子供たちがランニングやストレッチなどに使っているのを見かけることがあります。
なお、こちらは両者の中間にある「基本型」の沿道緑地。
ずっと長期に渡って事業を続けていけば、いつかは連続してまとまった緑地帯となり、もしかすると樹林の下の散策路などが繋がるのかも知れませんが、そうなるまでは基本この状態です。
もし繋がらなかったら、この緑地はどうなるのでしょう?
●兵庫国道事務所 事業概要(国道43号環境対策-沿道緑地)
(2014年4月訪問)
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