明治初め、兵庫港の再整備・活性化の柱として造られた兵庫運河がこの貨物駅跡の横まで伸びてきていることから、このイメージが建物や外構のデザインに取り入れられ、水路(キャナル)、レンガ舗装、鉄橋などが土地の記憶を伝えています。
タウン内の建物や水路の写真は、このような雰囲気。
そのキャナルタウンの西端、JR和田岬線の線路に接する一角が兵庫駅南公園になっています。ここは、No.680 正慶町公園のすぐ北側に隣接しているのですが、直接2つの公園がつながってはいません。
市街地が上のような雰囲気ですので、公園内も外周部に水路が巡らされています。
水は住宅部分から続いて工業用水を流しているようで、水路内は原則立入禁止。水遊びなどはできませんし、魚も泳いでいません。
住宅部分の水路と比べると、水深や流速が異なるのか、清掃などの管理頻度が低いのか、あるいは水路の末端にあたるので色々溜まってしまうのか、理由はわかりませんが沈んでいる落ち葉や藻などが多いように感じました。
率直に言うと眺めるだけにしては変化に乏しく楽しい感じのしない水路ですが、夏の夕涼み時などに来れば、また違った雰囲気がでるかも知れません。
エントランス部に設けられた東屋(休憩所)もレンガ仕立てです。運河沿いに建つレンガ建築の倉庫をイメージしているのでしょうか。
そうしたレトロデザインの外周部に対して、公園内部は広々とした広場型の公園です。
遊具は芝生広場の一角に自然な雰囲気で収め、そのほかは、ほぼ広場。
既成市街地ではなかなか作れないタイプの公園ですが、震災復興、再開発だからこそ可能になった形状だと思います。
遊具のメインは、3階建ての複合遊具。滑り台とブランコがメインで遊具としての変化にはやや乏しいですが、身近な公園にしては大きい方です。
そして恐竜型の揺れる動物。煉瓦造りの東屋との対比がイカしています。
外周部には、ウォーキングなどに使えるよう、多少の起伏を持った園路が整備されています。
一番高いところからは、フェンス越しにJR和田岬線が見えます。
和田岬線の線路の向こう側には、現在の運河の最末端が来ているはずなのですが、公園内からはその姿を見ることはできませんでした。
●土木学会デザイン賞2007「キャナルタウン兵庫」
(2014年4月訪問)
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