足立区の西新井駅と荒川とに挟まれたあたりが関原(せきばら)で、農村だったところに関東大震災や戦災から逃れた人たち向けの住宅やら工場やらの開発がワーッと入って、あまり計画的ではないまま都市化が進んだ一帯です。
狭く曲がりくねった道路に沿って古い木造住宅が並び、防災面や生活環境面からは課題が多い地区と言えます。このため1980年代から、徐々に市街地の改善が進められています。
関原中央公園は、その取り組みの中で整備されたであろう防災広場ブロックと、細い道を挟んで樹林地ブロックとに分かれた公園です。
まず防災広場ブロック。大きな広場を中心に、防災トイレ、防災カマド・炊事場、貯水タンクなどがあります。
入口には公園名と並んで「関原防災広場」という通称?も標記されています。
上の銀色の部分は、防災公園の補助事業で整備できるゲートシャワー(火事から逃れてきた人の上部から水をかけて、服や荷物などに燃え移っている火を消す装置)だと思います。
こちらは防災トイレ。普段は壁とマンホールの穴しかなく、一見するとプレーウォールのふりをしていますが、災害時にはマンホールの上に仮設便器を取り付け、屋根から専用の壁部品を引っかけることで個室ができるのだと思います。
マンホールの穴だけがあって壁はなく、上部に工事現場のような仮設トイレをはめ込むようなタイプや、便器とテントで個室をつくるタイプはよく見かけるのですが、仕切り壁が準備されているタイプは初めて見ました。壁の穴はどうやってふさぐのでしょうか?
防災カマドと水道の並ぶ炊事場。
カマドはいちおうベンチと兼用のようですが、よくあるカマドを隠すタイプではなく、キャンプ場のようにズバッとカマドの形をしています。煙突がないので熱効率は良くなさそうです。
とくに説明などありませんでしたが、貯水タンク一体型と思われる滑り台。遊具のリニューアルの時が面倒くさそうです。
かわって樹林地ブロック。施設的にはほぼ広場とベンチのみ。その外周に広めの植栽帯があり、ケヤキなどが植えられています。
特徴的なのは、高木の足元がこれでもかと言わんばかりに木チップで埋め尽くされているところ。雑草の抑制、土壌改良、剪定枝の再利用などの目的だと思われます。
乾くとタバコの火でボヤが起きたり、湿るとキノコが大量発生したりと、便利なようで使いにくいところもあるのが木チップ。もう少し広い公園ではよく見かけるのですが、まちなかの公園でここまでびっしりと敷き詰めているのは珍しいように思いました。
なにかとチャレンジ要素の多い関原中央公園でした。
(2013年6月訪問)
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